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ガチャ、とドアを開けると、そこにはサリーの姿があった。
「おはようございます、所長、ロイドさん」
「おう。どうしたんだ?」
「急で申し訳ございませんが、所長とロイドさんでどこかへ出かけてきてください」
「はぁ、何だよ急に!?」
「研究の一環です。本来であればライルさんが行くべきですが、どうしても手が離せないとのことです。なので、ロイドさんと最も一緒に過ごしている所長が代わりにお願いします」
そう言ったサリーは、チラリとロイドに視線を向けてきた。どうやら、サリーはロイドとアンディの関係を気遣ってくれていたようだ。サリーはあまり踏み込んだことを聞いてこないが、細かなことに気付いてさり気ないフォローを入れてくれる。
一礼して去っていくサリーに、ロイドは心の中で感謝した。
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