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「ごめんごめん。それも買ってやるよ」
「さっきもお金出してもらって、そんなに申し訳ないですよ……」
「気にするな。せっかくだからロイドにプレゼントさせて」
「っ……じゃあ、お願いします」
ロイドは甘えさせてもらっているはずなのに、申し訳なさより嬉しさが勝っていた。そう考えているうちに、再びドキドキとしてきた。そして、結局ドキドキする答えが得られなかったことに気付いた。
同時に、どうしてアンディがここにいるのか疑問が出てきた。
「アンディさん、もう用事は終わったんですか?」
レジに向かいながらロイドはアンディに尋ねた。
「ああ。他の階も見る余裕があるくらいには」
「す、すみません……」
「気にするな。また来ればいい」
会計を済ませて外へ出てみると、辺りはすっかり夜の雰囲気に包まれていた。ロイドは疲れを感じていないため、時間感覚も忘れて夢中で立ち読みしまっていた。
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