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 ある日、お姫様のようにとても可愛らしい女の子の人形が、とても優しい人間の王子様に恋をしてしまった。  魔法で人間になった女の子は自分の好きなように動けるようになった。その足で王子様に会いに行こうと思ったけれど、会いに行く勇気はなかった。  ある日、悪い魔法使いにさらわれそうになった王子様を、女の子は勇気を出して助け出した。  女の子の勇敢さに惹かれた王子様は、女の子と幸せになった。  サリーに借りた本とは似ているようで違っていた。けれども、ロイドは夢中になって最後まで読み終えてしまった。  もう一度ゆっくり読みたい。ロイドは表紙を見つめながらどうしようかと考えていた。 「その本欲しいのか?」 「わぁっ」  いつの間にかアンディがロイドのところへやって来ていた。突然現れたように感じたため、ロイドは声を上げて驚いてしまった。

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