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第64話 ベッドに転がって※

 俺はのぼせる間際だったのか、単純に興奮させられて熱いのか、理由は分からなかったけれど、自分でも吐く息が熱く感じた。  叶斗に子供の様にバスタオルで拭かれて、手を引かれて部屋に入ると、弾む様な勢いで俺たちはベッドへ転がった。叶斗は、俺の上に覆いかぶさりながら、色っぽい眼差しで俺を見つめて言った。 「俺、岳とこうなるのずっと待ってた。岳はβで、男も女もあんまり関心無かっただろ?どうやっても攻略難しすぎて、嫌われるのも怖いし、側に付き纏うしか出来なかった。  でも、Ωになったって聞いて!ああ、その時どんな気持ちだったか。岳はショックだっただろうけど、俺にとっては一生に一度のプレゼントだ。好き。大好き、岳。」  俺はドキドキと心臓が暴れ出していて、これ以上暑苦しい告白を聞いてられなかった。嬉しいとか、分かんないけど、シンプルに煽られた。 「バカ。…喋ってないで、チュウしろよ。」  叶斗の目が見開いて、なぜか舌打ちされて、次の瞬間には唇を塞がれていた。行儀の良いキスだと思ったのは一瞬で、すぐに俺を支配する様な叶斗の舌に翻弄されていた。ああ、甘い。俺が欲しいのは、この甘いアルファのキス。  大きな身体でがっしりと抱き込まれて、俺は妙にゾクゾクと感じてしまった。これが叶斗のアルファのフェロモンなのか?身体がゾワゾワして、どっと何かが腹の奥から滴り落ちてきたのが分かった。  ネックガードの側にいきなりキスされて、ビクっと震えたのは本能だろうか。気づけばベッドサイドに高井がいて、叶斗に抱え込まれた俺の背中にキスし始めていた。  叶斗に抱え上げられた片脚の奥に、高井の指が掛かって、いやらしい水音が聞こえた。さっきよりも圧迫感がある指が俺を怯ませた。 「あ、まって。怖い。」  すると叶斗が仰向けになって俺にまたがる様に言った。 「俺が岳の敏感な二つのポッチを可愛がってやるから。…大丈夫、怖くないよ。気持ち良くて訳わかんなくなるから。」  今更引き返せない事は、流石に俺も自覚していた。俺がベッドボードに寄り掛かった叶斗に四つん這いで跨ると、叶斗は俺をがっちりと捕まえて、俺の胸元を、舌や空いた指先で甘やかに愛撫し始めた。  俺の胸はΩになり始めた頃から、どんどん敏感になって、今や赤らんだ別物に変わってしまった。つるぺたのあの頃はもう戻って来ないかもしれない。  叶斗がきつく吸い付くと同時に、俺の後ろに入り込んだ圧迫感のある高井の指が、バカみたいに動き出して、俺は悲鳴の様な嬌声を上げてしまっていた。

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