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第66話 圧倒される※
自分が甘い声で喘ぎながら、もっと甘いのが欲しいと強請ったのは、朧げだったが、記憶がある。気がつけば馬鹿みたいな気持ち良さの中で、俺の後ろへと圧迫感を感じた。
さっき高井に指でされていた時よりも息ができない様なソレは、俺の呼吸を止めた。
俺の顔を撫でていた高井の大きな手が胸を這い回って、横に向けた俺の唇は、覚えのある甘さに支配されていた。ああ、美味しくて気持ちいい…。もっと。俺は舌を伸ばして、形の良い高井の唇を突っついた。
クスクス喉の奥で笑う声に目を開けると、高井が目を細めて微笑みながら俺をじっと見つめていた。あ、高井ってそんな顔もするのか。そう思う間もなく、グチュグチュと卑猥な音を鳴らして、俺の入り口から叶斗が入ろうと頑張っていた。
「岳、もっと力抜いて…。ほら、キスしよう。好きだろ?」
そう言って四つん這いになった俺の身体を撫で回しながら、高井が横を向いた俺に、もう一度甘やかにキスしてきた。確かにうっとりしたんだろう、叶斗が細かく揺さぶりながら俺の弱い場所をついた。
「あ”っ!あんっ、んっ、あ、あああんっ!
自分でも聞いたことのない声が、喉からほとばしった。
経験のない鋭い快感が俺を攻め立てた。撫でられたり、擦られたりして、俺は何も出来ずに目尻に涙を溜めて快感に溺れた。
「岳、あっ、いいよ。気持ちいいよ。うんっ。」
後ろで叶斗の息が抜ける様な色っぽい声がして、俺はますますカッと熱くなって震えた。
「あ、ダメだって。まだ、もうちょっと我慢して。」
そう叶斗に甘える様に言われて、そうは言っても身体のコントロールが出来るはずもなく、俺は叶斗を咥え込んで揺さぶられていた。ああ、こんな恥ずかしい格好で、でもその羞恥心を上回るほどの絶頂が目の前に近づいてきていた。
高井の手が俺の股間に伸びて悪戯されると、さっき出たばかりのそれは、それでも腹を疼かせて引き絞った。途端に叶斗が呻きながら馬鹿みたいに後ろから打ち付けて、目の前が真っ白に弾けた。頬に触れるシーツが後ろから押し込む叶斗の動きで動かされるのをぼんやりと感じるだけだった。
「…岳。…大丈夫か?」
髪を撫でられて、瞼を震わせる俺は意識を飛ばしていたらしい。丁度ズルリと叶斗が出て行くのを感じて、俺は思わず息を吐き出した。すると高井に仰向けに抱き込まれた俺は、腹に当たるその覚えのある逞しさに青褪めた。
「え。マジで。ちょっと、休ませて!」
すると高井はふわりと微笑んで、俺の顔のあちこちにキスしてきた。あ、気持ちいい。甘やかす様なその優しい唇を、もっと欲しがると、高井は俺の唇を歯で甘噛みしながら言った。
「任せて…。」
ちょっ、油断した!ま、まって!
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