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「でも…モウラの借金は、嘘でした…――ていうか、全部嘘でした…はは……」
モウラの借金は、もちろん嘘だった。
実は、『DONKEY』の店長も一枚噛んでいたのだ。
そもそもオメガ属の絶対数が少ないために、オメガ専門風俗はいつも従業員不足に悩まされている。…まして、大手にオメガ属の従業員を取られてしまうので、そうした理由から『DONKEY』の店長は、身持ちの良いキャストが欲しかったそうだ。
そしてある日、僕が『DONKEY』から帰った朝方――『KAWA's』の上にある居住スペースへと帰ると、そこのリビングに、ケグリ氏とモウラが居た。
「…“DONKEY”に…三回くらい出勤したころかな――朝方帰ったら…、ケグリ氏とモウラが、珍しく起きていて…」
そのとき彼らは、僕に酒を勧めてきた。「就職祝いに一杯飲め」と。――僕は不穏な気配を感じて断ったが、結局口移しで、それを無理やりそれを飲まされてしまった。
「…無理やり、お酒を飲まされました…――口移しで…、それ、なんか…また、…睡眠薬か何かだったみたいで…」
「………、…」
「…それで、夕方ごろに、僕の目が覚めたときには……」
僕の乳首はズキズキ痛み、下腹部にもひりつくような焼ける痛みを感じた。――しかも、仰向けになっていた僕は、モウラの体の上にいた。そしてケグリ氏は、僕の上にいた。
僕の膣にはケグリ氏の、アナルにはモウラの男性器が入っていたのだ。
「…もう、乳首にピアス…開けられてて、――下腹部に、タトゥーも彫られてて……、膣にも、お尻にも…おちんちんが、入ってて……」
僕の体には、この時点でもうすでに――ニップルピアスをされて、下腹部には、淫紋のタトゥーが彫られていた。
僕が睡眠薬でぐっすり眠っている間に、勝手に、それらを施されてしまったらしいのだ。
「…僕、寝ながら犯されてて……、…」
そうして僕を犯し、僕の上で揺れながら――ケグリ氏はニヤニヤしながら、こういうことを言った。
はじめから自分たちは、お前を『DONKEY』でも働かせるために仕組んでいた。
そういうことでお前が『DONKEY』で稼いだ金は、モウラがすべて受け取る手はずとなっている。ちなみに自分たちは親子で、モウラは今ひとり暮らしだが、お前のために今日から此処に住むそうだ。
つまり、お前は今日からこのモウラの性奴隷でもある。性奴隷契約書にもその旨を加筆しておいた。
モウラは近々、このビルの地上一階にアダルトショップを開店する。呼び付けられたらすぐに来いよ、お前をお客様のお 試 し に使ってやるから。
「……ッ、…ッご、ごめんなさ、…ッ」
僕はまた顔を両手で覆い隠した。
今でも思い出すのは、本当に辛くなる。
これだけは本当に、思い出したくないくらいなのだ。
そして、涙ぐんで呆然と絶望している僕のアナルを激しく犯しながら、モウラは笑いながらこう言った。
『バーカ。マジで馬鹿だよな、お前さ。さすがオメガって感じ? 毎日穴という穴にちんぽ咥え込んでる淫乱肉便器のくせに、“まだお付き合いしてないから”なんて純情ぶって俺とのセックスを断ってるお前、マジで面白かったわ。…なに自分の価値見誤ってんの? ヤバい勘違いだかんな、それ。肉便器のお前の体なんかさ、正直タダでも高いわ。これから毎日、タダまんよろしくな。』
『嘘だよね…? 嘘だよね、モウラさん…っ』
『…どこまで頭弱いのお前? 嘘なわけねーじゃん。――いや、お前を愛してるってのが嘘。借金も嘘。…馬鹿なお前を風俗に堕として、金稼ぎがしたかっただけだよ。親父の計画に、一枚噛ませてもらったってだ、け。』
「…っごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい、ごめんなさい…っ」
「っユンファさん、…」
僕が自分じゃ外せない、鍵付きの首輪はケグリ氏の“性奴隷の証”。――ニップルピアスは、モウラの“奴隷の証”だと言っていた。
そして僕の下腹部に彫られた…いわゆる淫紋――悪魔の羽根のついた、子宮と卵巣を模した赤と黒のハート型のタトゥー――は、オメガ性奴隷である僕そのものを象徴した、“メ ス 奴 隷 の 証 ”。
僕はこのとき…――全部壊れ、全部諦め、全部全部…もうどうでもよくなった。…そして気が付いたら、モウラとケグリ氏に挟まれた状態で座り、自分から腰を上下させていた。
『〜〜〜〜ッ!! もっと酷くして、…純情ぶってごめんなさい、ほんとは淫乱なんです、淫乱オメガでごめんなさい、みじめなマゾなんです、浅ましい奴隷、僕はおまんこ奴隷です、…きもちいい、きもちいい腰止まらない…――僕のおまんこもケツまんこもきもちいい…、ユンファのおまんこイきます、ケツまんこもイく、――もう僕をめちゃくちゃにして、…もう全部奪って、…僕の全部をぶっ壊してください…っ!』
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