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「…ユンファ! もうムカつく声を出すなよ、わかったか?!」
「……、……、…」
僕はぼーっもしつつも、コクコク頷いてご主人様 にもう変 な 声 は出しません、と誓った。――僕の喘ぎ声は可愛くない。僕の喘ぎ声は気持ち悪い。ムカつく。最悪だ。萎える。――僕の喘ぎ声は、変 な 声 だ。
するとケグリ氏は、僕の口から手を離した。――お仕置きの材料が欲しいのだろう、…そうは言いつつ彼、僕に喘がせたいのだ。
「…んはぁ、! …ぁ、」
口を開放され、一気に入り込んできた空気に紛れて、思わずまた声が出てしまった。
「…出すなと言っとろうが! この出来損ないまんこ!」
「…グ、…ひ…っ、…ぅ、……ッ、…ッ」
お尻を叩かれ、犬のしつけのように首輪を後ろからグッと掴まれて、僕は萎縮する。
ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい――と僕は口を両手で塞ぎ、肘を支えにして…掴まれたお尻を、ご主人様に明け渡す。
「……ッ、…ッ、…ん…ッ♡」
「…ムカつく声を出すなユンファっ! メス肉便器が気持ち良くなるな!」
「ひ…っご、ごめんなさ、…ク…ッ、…ッ」
今度は後ろから髪を鷲掴みにされ、グッと上げられ、グイグイ揺すられる。――髪が抜けそうなほど痛いと、僕の体は竦む。
すると僕の怯えた様子が気に入ったらしいご主人様は、僕の腰を掴んで動きを速める。
「このおまんこでご主人様のちんぽの形を覚えておけユンファ、…一週間、忘れるなよ!」
「…ッ、…ッ、…ッ、…ふ…ッ♡ ふク、♡ はい、…」
僕はその衝撃と快感に奥歯を噛み締め、目も、口も固く閉ざして耐える。――まだ残る頭皮の痛みか…あるいは快感からか、何からか…涙がボロボロ出てくる。
「…ちゃんとご主人様のザーメンをねだらんかユンファ、どこに出してほしいんだ、…」
「…ク…ッふ、ぁ、…ご、ご主人、様、」
やっと…終わる。――僕はケグリ氏が早く絶頂してくれるようにと意識的にナカを締めつつ、甘ったるい声を出す。…もちろん演技だ。
「……ッ、ふ…ッご、ご主人様のザーメン、ユンファの、…い、淫乱オメガまんこにください、孕ませてくださ、…っユンファを孕ませてください、…」
僕は穴だ。今はただの穴だ。男を喜ばせるためだけに生まれた穴なのだ。…こうして自らいやらしい淫語を口にし、媚態を晒してケグリ氏の射精を誘うのだ。
早く終わらせたいとき、僕はいつもこの手を使う。
とにかく下手 に出て、やりすぎなほどケグリ氏を上げつつ、やりすぎなほどのいやらしい言葉を言う。――するとケグリ氏は、素直に興奮して怒張をより硬くし、その動きも浅く、射精に向けたものとなってゆくのだ。…いつもこうだ、射精間際の男というのは、わりに単純なものなのである。
「……ふ、ぅぅ…っ♡ ゆ…っユンファのおまんこに種付けしてくらさ、…――ご主人様の子種汁、たっぷり僕の子宮にぶっかけて、…僕を妊娠させてください…っ」
「…まったく、この孕みたがりのオメガめが、――出すぞ!」
「っは、はいご主人様、…けっケグリ様専用の奴隷まんこに射精してくださ、――僕を妊娠させて、妊娠させてください…っお願いします、僕を妊娠させてください…っ」
涙が出てくる。――こうして僕を一番おとしめているのは、実は僕自身なのかもしれない。…もう、どうせもう、僕の人生なんかもう取り返しのつかないところまで、全部終わっているのだが。
「…孕めユンファ、――ふぉ、…っおおっ、おほ…っ」
「…ぁ…っはぁ、は…――あ、ありがとうございます、ご主人様…お情けのザーメン、ありがとうございます……」
より一層硬くなったケグリ氏の男性器が、僕のナカでビクン、ビクンと大きく脈打っている。…ビシャビシャと僕の子宮口にかけられている熱い精液に、僕は立てていた腕を折り、お尻だけを高く上げ――ケグリ氏と繋がったまま、その場に土下座する。
「…はぁ、…ご主人様の貴重なザーメン、はぁ…っありがとうございました、嬉しいです、頑張って…頑張って一滴残らず、受精します…、…ふぅ……ふぅ…――。」
正直、僕には何が良いんだかわからないのだが。
この方法はケグリ氏に、やけによく効くのだ。――僕の子宮口にビシャビシャかけられているケグリ氏の精液に、とりあえず一安心の僕である。
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