1 / 44
プロローグ
熱い切っ先がぬかるむ孔へゆっくりと挿入っていく。
「うっ、あああっ!!」
あらぬ場所に到底挿入るとは思えない凶悪な棒を入れられているというのに、後孔は大きく口を開ききってはいるものの、男根を飲み込んでいく。
ゆっくり、ゆっくりと。
「あ、が、……あッ」
溶けた頭で理解するのは、息苦しさ。しかし、喉の渇きが潤されていくような、そんな錯覚に陥る。
男根を欲して欲して堪らなかった体は、侵入者を大いに歓迎し、絡みついた。
「はっ……キツいな……」
目の前の男性が眉間に大きく皺を寄せながら苦笑した。紅潮した頬と、獲物を前にした獣のようにランランと瞳を輝かせている表情からは興奮を読み取れる。
溶けた瞳から次から次へと雫が零れる。悲しいのか、嬉しいのか、はたまた生理的な涙なのか。馬鹿になってしまった脳は何も分からない。荒く息を吐く唇の端からも唾液が流れて首筋へと一筋の跡を残していた。
どうしてこうなったのか。数時間前の自分では、全く想像すらしていなかった事態に混乱する。
安達圭の非日常は、唐突に起きた突風から始まった。
麗しの暴君サマに愛され過ぎて困っています。
ともだちにシェアしよう!