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病んでても愛してもらえました

 アキさんのベッドの上。限界まで足を割り開かれ、俺のナカを冷たくて長い指がぐちゅぐちゅと掻き回す。  自分で弄っていた時はこんなんじゃなかった。自分の指なんかと全然違う。 「っアんっ、あぁア……っ!きもちっ、い、あぁアッ、ンンぅ、ッ、」 「気持ちいいね?満足した?」 「アッあンンっ、っ!もっと、ンンっ、アッ…もっとぉ、ッ!」 「ふ、わがまま」 「ぁアアっ!そこッ、ンあぁア……ッ、」  2本の指でぐりぐりと一点を押され、頭の中に電気が走ったみたいに何も考えられなくなる。 「随分柔らかいね。今日も森本さんにいじられたの?」 「ン、あんっきもちっ、アキさんッ、んあァッ」 「こらまひろ。答えて」 「ッアぁあ…ッッ、や、それっだめえ…っッ!じっ、じぶんでッ、アぁン、っ……ンンッ、!自分でッ、シてたの……っ!」  イかないように根元をギュッと抑えられ、行き場の無い快感が身体中を走り回る。自分の脚がビクビクと痙攣しているのがわかった。  必死で繋げた俺の言葉にアキさんは一瞬目を丸くした後、クスクスと笑みをこぼした。 「ふふ、まひろほんと可愛いね」 「アッ!あっ、ン、アキさんのっ、当たって、る……っ、アキさんの」 「これ、欲しい?」 「アキさんっアッ、アキさんっ、ッ!欲しいっ欲しいぃッ!」  ナカを犯していた指が引き抜かれ、代わりに入り口に熱を押し付けられる。待ち望んでいたソレに擦り付けるように腰を動かしてしまう。  そんな俺の余裕の無い姿を見て薄い唇が弧を描く。 「ぅあアッあ、ア……ッ、はいってる、っアキさんのっ、熱いぃッ、」  圧迫感に快感がゾクゾクと走る。ナカを押し広げる熱に耐えきれず先走りが溢れてしまう。それを我慢しようとするほど締め付ける形になり、目の前のアキさんが僅かに眉根を寄せた。 「相変わらず狭いね。ちょっと苦しいの我慢してね」 「ハぁッ、ンンうぅ……ッ、アキさんッ、アキさんんッ」 「早く俺の形覚えるんだよ?」 「ッ、アぁァッ、!ごりごりっ、奥ッ、っ!ごりごりしてるっ」  快楽に溺れる俺の姿に、アキさんが目を細めて笑うのが分かった。必死で手を伸ばして抱きつけば、馴染むよう奥に押し付けられていたソレの動きが段々と激しくなっていく。 「アッ待っ、ッあア!アキさ、んッ…っ、すご、っだめっ、アぁあンンっ!」 「俺ね、さっきの過呼吸ほんとやばかった」 「アキさんッ、はげしっ、ンンあッ!きもちっきもちいぃ……っッ」  まるで俺のイイ所を分かっているみたいに、与えられる刺激の全部が快感に繋がる。喉をさらけ出して喘ぐ俺の唇を、アキさんの冷たい指先が優しく撫でて、 「息出来ないまひろの口にさ、コレぶち込んで喉の奥までガンガンに突いたらどうなるのかなって。頑張って我慢したんだよ?」 「っ……、」  耳を疑う言葉に驚いて顔を上げるが、アキさんは変わらず嘘みたいに整った美しい顔で穏やかな笑みを浮かべたまま。困惑する暇もなくさらに律動を激しくされ、頭を麻痺させるような快楽にまたすぐに何も考えられなくなる。 「アあぁッだめっ、はげし、いッ!おかしく、なるッ……!っ、んあアっ」 「まひろ、おかしくなってよ。病んで泣いて狂ってさ、俺から離れられなくなってよ」 「っあンン、ッ……アキさ、んっアキしゃんんッ、こわれるっ、こわれちゃう、ッッ!」 「ふふ、こわれちゃえ」 「~~ッッ!!イ、っちゃう、アキさんっ……!イくッ、イっちゃ、アぁ!ッ、んあァああッ、ッ!!」  びゅくびゅく、  吐き出された精液が自分の腹を汚す。同時にナカにもアキさんの熱を感じて、顔を上げれば優しい瞳と視線が絡む。 「上手にイけていい子。まひろ大好きだよ」 「っ、すきっ俺も、アキさんだいすき……ッ!」  ぎゅっとしがみつけば、同じ力でぎゅっと抱き返される。  やっと、空っぽだった何かが満たされた。  でもこれはまたすぐに空っぽになってしまうことに俺は気付いている。それを満たすために、きっと俺はこれから先もずっとアキさんに縋りつくんだ。  それって、なんて幸せな人生なんだろう。 ――――end

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