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でも、
結局俺は莉衣から
全てを奪ってしまった。
莉衣はかつての俺みたいに、
何もかも嫌いになって
病気じゃなくても、
生きている事が辛そうになってしまった。
俺は莉衣に、殺されても良いと思った。
そうなっても仕方ないと思った。
俺はずーっと死にたかったし。
本当は一緒に生きていきたかった。
でも俺は自分が嫌いだから、それが出来なかった。
莉衣が教えてくれたみたいに、
俺は俺を愛せば良かった。
だけどやっぱり、莉衣がいないと俺は
何も愛せなかった。
違う。
俺は自分が嫌いすぎて、
莉衣の“好き”を信じられなかったのかも。
莉衣に殺されながら、
俺は幸福を感じてしまった。
だけど、
こんなはずじゃなかったんだ。
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