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莉衣に教えてもらうまで 何もかもが嫌いだった俺が のうのうと生きていて 世界を愛していた莉衣が 死ぬくらいなら、 俺は自分が恨まれて死のうと思った。 俺は莉衣を失ってしまったら、 多分この世界の歩き方が分からなくなる。 その証拠に、莉衣が弱っていく度に 俺は何も自分で決められていないのだと思い知る。 莉衣がいるから俺は立っていられていた。 嫌いな自分を好きな気がして、 死なずに済んでいたのだ。

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