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第5話 飲まれるのは―――

 あまり気が乗らなくても、身体は反応する。  組み敷かれて、そのまま、性器を触られれば、たやすく、そこは快感を訴える。慣れた手の感触だった。どこをどうすれば、一番感じるのか、知り尽くされている。 「……っん……」 「……機嫌直せって……、ほら、今日は、俺がしてやるから」  ゆっくりとパンツのジッパーが下ろされて、形を変えた性器が引きずり出される。 「おいっ……っ! やめろって……」  声を上げるが、健太郎は気にせずに、光希の性器を口に含んだ。 「あっ……っ」  健太郎は口を上下に動かして、ゆっくりと光希の性器を弄ぶ。 「っ……っ」  わざわざ、音を立てて舐めたり、口で愛撫されると、あっという間に、追い詰められていく。 「あっ……け……んたろ……」 「……ほら……お前も、期待してたんだろうし。いつも通り、楽しもうよ」  先端の入り口を、舌先で舐られ、腰から湧き上がった快感が、駆け上がり、背筋がぞくぞくっと震える。  そのまま、健太郎は、口をすぼめて、亀頭までを飲み込んで、ゆっくりと奥まで飲み込んでしまう。その間、舌でねっとりと性器を嬲られて、光希の身体が、ぴくっ、と跳ねた。 「あっ……っ……っ」 「……まあ、一回、イッちゃいなよ。全部飲んでやるから」  健太郎の動きが、より早くなり、光希の口から漏れる甘い声が、切羽詰まったものになっていく。  呼気が荒くなって、薄い胸が激しく上下していた。 「あっ……っああっ……っ……っ」  健太郎の口内で、光希の欲望は|爆《は》ぜた。  濃い白濁は、全て、健太郎に飲み干される。 「あ……」  快楽に、視界が滲んでぼやけている。ぼんやりした思考の中で、口許にこぼれた精液を手の甲で拭っている健太郎と、目が合った。 「……それ……好きだよね、健太郎……」  精液を飲まれるのは―――なんとなく、苦手だ。だが、健太郎は、わりと、好んで、精液を飲む。 「……味は、別に好きじゃないけど」  健太郎がにやっと笑う。 「なんだよ」 「お前が、結構、イヤそうな顔をするのが、イイんだよね」  カッと顔が熱くなった。 「なに……」  何を言っているんだ、と抗議の声を上げる間もなく、脚を抱えられた。 「ちょっ……」 「……ほら、こっち、してやるから」  健太郎の指が、奥へと滑り込む。今日は、健太郎が来るのが解っていたので、準備はしておいたが―――。  なんとなく、今日は、したくない。  けれど、健太郎は、お構いなしだった。 「……ちゃんと、準備、してるし……ま、コレなら、すぐ、入れてもいっか」  少し奥の具合を確認してから、健太郎は、自分の服を脱いだ。健太郎の性器も、勃ちあがって、固く張り詰めていた。 「……ほら、入れるぞ」  健太郎の性器の先端が、奥にあてがわれて、光希の奥が、きゅっと引き締まる。それは、生理的な反応に過ぎなかったが、健太郎は気を良くしたらしい。 「……ほら、身体のほうは、こんなに欲しがってるんだから……」  収縮した奥は、健太郎を誘っているようだった。まるで、あてがわれた先端に軽く啄むようなキスをするように、そこは収縮している。 「……ほら、まちなよ。そんなに焦らなくても、ちゃんとしてやるから」  健太郎が、ぐい、と腰を進めてくる。光希の腰を捕らえて、一気に、奥まで進めた。 「っ―――――っ!」  馴らしていたし、慣れた行為とは言え、衝撃が酷くて、声にならない悲鳴のような喘ぎが喉から|迸《ほとばし》り出る。  目の前に、白い星が散った。
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