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個人的な話 6
サナギさんに触れたい。
そんな欲求が沸き起こってくるのに、
それはあまり言ってはいけないのかもと思っていた。
「あー…もう、しょうがねえなぁ…
あいつ呼んできてやるから…ちょっと待ってろ」
「や…だめです……!」
「は?」
「これ以上…サナギさんに迷惑かけられない……っ」
「あのな…あいつの事大事に思ってるんならな、
ちゃんと自分を保って向き合わないと一緒に死にたくなるぞ」
「何を言って…」
「SubもDomも繊細な生き物ってことだ」
頭がくらくらするのを感じながら、橋名は彼を見上げた。
その眼は必死にも見える。
「自分の欲求をちゃんと伝えないとお互い潰れるぞ」
欲求をちゃんと伝える?
そうしたら彼を傷付けてしまわないだろうか、と思うと怖くて堪らない。
「な…何やってんの…!?」
急に声が飛び込んできて、橋名は怖々と顔を上げた。
そこには沙凪が立っていた。
夢か幻かと思いながらも、息苦しくて胸を押さえてしまう。
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