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運命の人 1
沙凪と晴れて想いが通じ合ってしまった橋名は、嬉々として毎日彼のために弁当を詰める日常に戻った。
残業が少ない日は仕事終わりに沙凪が家に来て晩御飯を食べてくれたり
そのまま泊まってくれたり、休日は2人でちょっと出かけたり。
橋名はその度にドキドキしたり舞い上がったりしてしまうのだった。
沙凪は相変わらずゆるーっとしているし、最近はそれに拍車がかかっているようでもあったが
そういう所が彼らしくていいとすら思っている橋名だった。
「んーおいしかったぁ」
今日も沙凪は橋名が用意した晩御飯を食べると満足そうに微笑んでいる。
その笑顔は天使でしかなくて非常に満たされたような心地になってしまう。
「すみません…あんまり買い物の時間なくて適当で…」
「えー?全然立派な晩ごはんだったと思うけどなぁ」
沙凪はそう言いながら頬杖をついてにこにことしている。
「なんか俺、ほとんど橋名くんの作ったごはんでできてるって感じ?」
「そ…そっすね……」
そんなことを平気で言うので、橋名は勝手に顔が赤くなりながらもそわそわと食器を片付ける作業に入って誤魔化してしまうのだった。
「いいよ!俺洗うよ!」
「え…でも」
「いつも作ってもらって悪いしさぁ
橋名くんは座ってて!」
沙凪はそう言いながらもどこか困ったように微笑んで皿を持っていってしまった。
それはありがたいはずなのに、どこかしゅんとなっている自分もいた。
彼は世話を焼くことを許してくれているけど、時々本当はよくないのかもと思ったりはする。
だけどもっと何かしたいと思ってしまうし、
一緒にいれば居るほど世話を焼きたくなる気持ちが沸き起こってきてしまうのだ。
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