「っや、ぁあ…ッ、だめ…っ、イ…ッ、ぁ、あ」 無意識に彼の背中に爪を立てながら全てを奪い去っていくような感覚に打ち震えて、そこに追い討ちをかけるように更に楔に掻き回される。 「い…っ、も、俺…っいってるってば…ぁ…ッ」 逃げようとする腰を尚も抑え込まれて律動されると、何度も何度も頭が真っ白になって 叫び声をあげているとその口すらも塞がれてしまう。 「ん、…んﾞッ！ん…っ！」 チカチカと光が飛び散っていくような視界と感覚の中、嫌というほど彼を感じさせられて 逃げる暇もないくらい。そんな気も、起きないくらい。 律動が止まっても、乱れた呼吸を繰り返しながら暫く唇をくっつけ続けていた。 「は…ぁ…」 唇が離れ、沙凪はすぐ近くにある橋名の瞳を見つめる。 よく回っていない思考の中で、甘みを帯びた余韻と疲労感を抱えながら汗ばんだ大きな身体に抱き竦められているのが 酷く心地よくて。 「…サナギさん…俺は…、あなたのものです」 そう言って頭を撫でられ、ずっとずっと気持ちを伝え続けてくれる彼の必死さも 真っ直ぐさも、あまりにも自分にとって必要なのだと思い知らされる。 「…うん…好き、だよ…、俺の、橋名くん…」