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79 この唇は、我のもの ※ モブユン

             ジャスル様とユンファ様は、膳に向かい合うように並び座っている。――ユンファ様はくったりと斜めに座り、頭からかぶっていた布を両肘にかけて、羽織っているが…目の前の膳に置かれた果物や酒には手を付けず、ただうなだれていた。 「…どうしたユンファ、顔が赤いぞ…?」  白々しくにやりとしながらジャスル様は、隣のユンファ様に振り向いた。  先ほどの儀では外していた、薄紫色の口布を着けているユンファ様――後ろから見える耳や、肩の肌も桜色に染まり、…は、は、と小さく息を乱している彼の股ぐらに、ジャスル様の手が伸びる。   「……っ!」   「…なんじゃユンファ、ちんぽここんなガチガチに勃てて、ぐふふ……」   「…やめ……、…さま……」    ソコをまさぐられているらしく、ユンファ様はうなだれたままふるふると顔を小さく横に振り、ジャスル様の手首を掴んでは小さな声で、…おそらくは「おやめください、ジャスル様」と。――しかしジャスル様のその太い腕は、くちくちくちと音を立て、ユンファ様の自身を激しく扱いているような動きをする。   「…いや、…ッ!♡ ぐ、……ッふ、♡ …〜〜ッ♡♡」    するとユンファ様は、より深くうなだれ――ときおりビクンッと上体を跳ねさせながらも、口を片手で塞いだようだ。…ユンファ様のうなじにある、桜の赤い髪飾りが、ぴくん、ぴくんと揺れている。   「……ちんぽから淫汁をはしたなくダラダラと…、せっかく用意してやった綺麗な衣装を汚しとるじゃないか、ん…? ユンファ…どれ、ワシが舐め取ってやろう。…」  ジャスル様の手がユンファ様の太股を撫でると、彼はビクッと怯え、…その太い手首をぎゅっと掴むなりユンファ様は、やはり顔を伏せたままふるふると顔を横に振った。   「…は…か、構いません、…」   「構いませんではなかろうが? 神聖な花嫁衣装を淫汁で汚す、はしたないのはお仕置きじゃ。…」    グッとユンファ様の首の横を掴み、自分のほうへ引き寄せるジャスル様――その醜い唇が、ねちねちと彼の赤らんだ耳に囁く。   「…昨日はあんなに身悶えして、なぁユンファ…、たまらんほど気持ち良かっただろう、夜伽というもんは…何、また善くしてやろうというんじゃ…――ぬふふ、お仕置きなんてしないよ…、ワシのために、その操を守っておったユンファは、良い子だからの…」   「……、…、…」    ふい、と顔を軽く背けたユンファ様は、カタカタと怯えたように小さく震えている。――しかしジャスル様は、はぁはぁともう息を乱し、自らモノをまさぐりつつ、ユンファ様の耳を追ってさらにこう囁く。 「…なあ、初めてでもあんなに可愛い声で鳴くとは…可愛かったよぉ、ユンファ…。お前はワシが初めてだったんだよなぁ、おまんこから血が出ていたものなぁ…? だってのに、お前はあんなに善がって、善がってなぁ…――体の相性が良いのだよワシらは。…ユンファよ、ワシの魔羅がもっとおまんこに欲しいな…?」  ユンファ様の太ももをいやらしく撫でていたジャスル様の手が腰に回り、その細さを浮き彫りにしながら、そこがぐっと引き寄せられる。――ぱた、と力が入らないらしいユンファ様は、ジャスル様のほうへ手を着き、…結果その人に寄り添うようになる。 「……接吻もまだ、なんだってな…」 「……、…、…」    すると黙り込むユンファ様はぼーっと、伏せた顔ではぁはぁと息を乱しているだけだ。   「……ふ…、…」    接吻――俺は、ついニヤリと口角を上げた。  あえて目線を伏せ、唇を舐めて、口の内側を噛む。  ただ彼らの会話ばかりが聞こえてくる中、俺は複雑な心境を抑え込んでいる。 「…ほれ、昨日はまだメオトじゃないからって、お前嫌がってたろう…――しかし、もうワシらはメオトじゃ…、その無垢で可愛い唇を、ワシの唇にくっつけてごらん…」   「……はぁ、…はぁ……」    ただはぁはぁと息をしているユンファ様に、ジャスル様はいよいよ――ユンファ様のどこかに、むしゃぶりついたらしい。   「…っひゃ、♡ ぁ、……〜〜〜ッ」   「…んん、…んんん…、甘いぞユンファ、耳まで甘いかお前、…どうなんじゃ、生まれて初めての接吻、旦那様としたいのかユンファ、なあ、おいユンファ、んんん……」 「ぅ…ッうぅ……、…おやめ、…くだ、さ……」   「…やめてじゃないだろうが、…したいと言っておくれ、旦那様と初めての接吻がしたいと、……んん…? それとも何か、お前まさか、どこの馬の骨とも知れん奴と…」   「しっしたことなどありません、まさか、…接吻…なんて……」 「…まあそうよな…、なら旦那様と、記念の接吻をしたいだろう、…さあおいでユンファ、…」 「っいや、…んん…っ」     「…………」    これは唇を、ジャスル様に塞がれたに違いない。  ぐちゅ…くちゃくちゃと、ユンファ様は口内を、ジャスル様の舌に掻き回されているらしい。   「…ふっ…ぅ、…ぅぅ゛、…」   「……んん…、んんん…」    まるで美味い、美味いというようにまったりと唸りながら――ジャスル様は、ユンファ様の甘い舌を味わっている。…目が回りそうなほどの、嫌悪感だ。        

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