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第21話

「で、魅弥?玻璃と付き合ってるってほんと?」 「……っいえ。」 この人に目を見つめられて、嘘をつくことなんてできない。 「そっか。残念。こっからあれはどうするつもりだろうね。まるで子供みたいだ。 ねぇ、魅弥は付き合ってるって言われて嬉しかった?」 「いえ。……ぬか喜びはしたくないんです。社長が私なんかを好きになられるはずがありませんから。」 ふーんとだけこぼし、頬を撫でられる。 昔は確かに慕っていたはずなのに。 今は嫌悪しか感じない。 「玻璃がお見合いを断るのは分かってたけど、付き合ってるって言った時は驚いたよ。 まぁ、付き合ってるわけないけど。魅弥は真面目すぎるからね。玻璃に告白なんてできるわけない。玻璃が魅弥を好きになるのもありえないしね」 「分かっています。…もう帰らせていただけませんか。」 少し考えるようなそぶりを見せ、結局は首を振った。 「んーもうちょっと付き合ってよ」

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