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第52話

「やあ、魅弥。」 いつも通りの優しそうな顔で微笑まれた。 「こんばんは。父さん」 こちらは少しも優しそうな顔をしていない自信がある。 「自ら父さんと呼んでくれるなんて嬉しいよ。玻璃のこともそろそろ社長はやめて、昔みたいに呼んであげたら?喜ぶと思うよ」 社長がいるところでは、父さんなんていう日は来ないだろう。 「そんなことよりも、社長になにか入れ知恵したのはあなたでしょう。」 「魅弥を落とすゲーム?入れ知恵なんてしてないよ。勝手に玻璃が始めただけ。 まあ、玻璃と魅弥が付き合ったら手は出さなくなるかな、とは言ったけど。」 社長は俺と会長が通常親子ではやらないことをしてるのは知っているし、それをやめさせようと思っているだろう。 それなら、社長が俺に好きだとかなんとか言ってくるのも妥当だな。 もともと俺のことは好きではないのだから、時間が来れば飽きるなんてこともないだろうし…… どうしようか。 「話もひと段落ついただろう。そろそろ部屋を移ろうか」 「はい」 大丈夫。 この前のはつい最近だったし、今回は短めだろう。 すごく、楽しみだ。

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