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第85話

「もう遅いし、さきお風呂入ってきて〜」 「ああ、ありがとう」 時計を見ると、もう10時を示していた。 「服はこれね。パンツは新しいの無いから、あんま使ってないのはいて」 ほいほいと、俺の腕にどんどん乗せていくバートは‘お母さん’のようで、くすぐったい。 「魅弥?ぼーっとしてどうしたの。一緒に入りたいのー?」 「ばーか。じゃあ、先もらいます」 「ふはははっ!魅弥、ほっそ!」 風呂から上がった俺を見て笑い出すバートを、にらんだ。 「うるさい」 「そんなにぶかぶかになるもんなんだ。小さめの選んだんだけどね」 身長はバートが高いだけだ。 俺は低くない。 ただ、筋肉がつきにくい。 そのせいで、服のサイズがほんの少し合わない。 「じゃ、入ってくるよ。先にベッド入っててもいいから」

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