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第1話
東アジアに位置するこの国は国土の広さは世界80位
人口は1億人には満たないものの大国といっても過言ではない
国紋にもなっている金木犀を始めとして四季折々の花々たちの香りが街々に届くほど華やかな首都
花の都 雪月華 国
ここには国王である双子の兄弟がいる
宮に仕える者は全て美男子でなければならない
容姿端麗なだけではなく、生まれが名家であること、政治事を行えるだけの知能も兼ね備えていなければならない
国王にはそれぞれ、小姓と呼ばれる美男子が仕えている
小姓は国王の秘書官、護衛官、身の回りの世話を担う給事がいる
そして……これとは別に特殊な教育を受ける者も……
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「青蘭 聴いた?小姓が不足しているらしいよ」
青蘭「不足?!また來華 様?」
「なんと雪那 様と來華 様の御二方とも」
国王の雪那 様は態度や雰囲気に威厳があり、まさに国王の風格をまとうお方だ
実質 国の政事は雪那様が担っている
雪那様は用心深いお方なため小姓も厳選され、エリートばかり配属される
いわゆる出世コースである雪那様の小姓になるべくこの宮に仕えることを決めた
しかし現実はそうたやすいものではなく、一応名家出の私でさえ、配属されたのは調理場であった。
双子の弟の 來華 様は雪那様とは真逆な性格のお方で、明るく人当たりがいい。主に外交を担っているだけあって国々の貿易品を身にまとい派手なお方だ
來華様の小姓は入れ替わりが激しく、仕える小姓も雪那様の倍以上
來華様の小姓の募集は頻繁に行われているが残念ながらお声がかかったことはない
「青蘭 !柊 !」
私と、親友の柊を呼ぶ調理場長の声が響き渡る
またこっそり飴をくすねたことがバレてしまったのだろうか
顔を見合わせ柊と共に調理場長の元へ向かった
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調理場長「お客様だ」
お客様?
「仕事中すまないね」
青蘭「///」
「小姓管理官の月影だ」
小姓管理官……本当にいたんだ……
この美男子揃いの宮に一際美しい男がいるという噂はあった
その男が小姓管理をしていて、小姓を補充していると……
背丈は175以上はありそうだな……
ニコリと微笑まれたら男でも色を覚えるだろう
月影「小姓が不足している」
噂は本当だった。
どうやら流行りの病で小姓が数名不足してしまったらしい
急を要する事態のようで荷物をまとめてすぐに小姓の主な働き場である:奥楓之間(おくかえでのま)へと連れて行かれた
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