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第2話
国王が仕事を行う執務室 、寝所である御休息之間 などがあるここ奥楓之間
柱一つを取っても丁寧に彫刻され煌びやかな空間であった
月影 「国王が通られる。こうべを下げなさい」
国王!?
シャリーン シャリーン
数名の護衛官の小姓の後に続く貴賓高いお方……
こうべを下げていて足元しか見えないがまとわれている雰囲気からも国王の風格が漂っていた
ドキン ドキン
国王様を一目見てみたい……
でもここで頭を上げるなんて無礼なことは出来ない
でも……
一目だけ……
青蘭「はっ……」
艶やかな長髪にヒラヒラとなびく衣……
本当に男性なのか……?
息を呑むほど美しい……天女のようだ……
護衛小姓「無礼者!」
はっ!!
隊列が止まり鎮まりかえった
青蘭「申し訳ございません!!!」
今更こうべを下げても遅い……追放されても仕方のないほどの無礼をしてしまった、、、
『構わない 好奇心旺盛な男は好みだ』
ドキン ドキン
これが国王様……
昔聞いたことがある……
この国の国王様は年若い
黄金の瞳を持つ 來華 様
シルバーの瞳を持つ 雪那 様
このお方はおそらく黄金の瞳を持つ來華 様であろう
『月影!今夜はこの者を』
月影「御意」
・
・
・
はぁぁ……
來華様美しかったなー……
グルグルグルグル
うっ……また来た……
柊 は給事教育を受けるために月影様と出かけていった
私は小姓部屋で休んでいるように申しつけられている
グルグルグルグル
月影様にいただいた粉を飲んだら不思議と便通がいい……
一体何の粉であったのだろうか……
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・
その夜……
給事担当の小姓が小姓部屋に集まって来るのと入れ替えに月影様に呼び出された……
月影「上がったらこの衣に着替えなさい」
小姓が使用させていただいている大浴場とは別で個室の浴場へと通された
きっと腹を下しているからであろうと特別違和感は感じなかった
腹も落ち着いたし……こんなゆっくり湯船に浸からせていただくなんて贅沢だ
・
・
・
月影「参ろうか」
用意された衣は真っ白な浴衣のような作りをしていた……
小姓用の寝具であろうか??すぐにはだけてしまいそうだ
月明かりが照らす長い廊下を颯爽と歩く月影様……
足の長い月影様の歩速に合わせるには小走りでついて行くしかない
青蘭「月影様……どちらへ?」
月影「來華 様の寝所だ」
寝所??
まさか念願の護衛であろうか??
月影「青蘭務めだ。來華 様の夜伽をして参れ」
………よ・と・ぎ!?
青蘭「私に殿方を悦する美技 はございません!」
月影「案ずる必要はない。來華様はただの変態だ」
………え?
変態とは?
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