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【学生編】君と出会った日のこと
小鳥遊病院 育児科
「ばーぶっ」
「こら琉璃 ダメだよ僕の言うこと聞かないと」
ベランダで遊んでいた1人の赤ちゃんとΩの男。
暖かい日差しが今の季節にあっていた。
木々から射し込む光は5月の天気で一番好きだ。
「もう君と別れて1年5ヶ月になるんだね、会いたいな璃亜武」
絶対に叶わない願いと共に彼は衰弱していく。
僕の命はもうわずか。
この子だけでも立派に育てたいのに……。
それが叶うか·····。
彼と出会った日々の話をしよう。
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彼と出会ったのは中学生の時だった。
αでありながらもΩのことが超絶嫌いと有名でありそれを知っているからこそクラスのΩは近づかなかった。
でも本当はとても優しい人なんだけどね、僕だけが知っている本当のこと。
高校1年生 冬
クラスにすでに登校していた親友の璃亜武 は窓側の席で窓から雪の降る景色を眺めていた。
「おはよう璃亜武、外寒すぎ」
「それはお前の格好が寒いんだろ、マフラーとか手袋は?」
「あ……忘れたかも、へへっ」
ブレザー1枚で登校してくる僕にそう聞く。
「バカだろ、俺の貸すから暖まれ」
「うん、ありがとう」
璃亜武の優しさは僕だけに向けられる。
僕だけの特権だ。
なぜこんな格好をしているのかというといろいろとあって両親共々忙しいのとお金をくれないのとご飯にもありつけなくて体力がない。
ご飯にありつけない点はまぁどうにかなる……てかあまりお腹空かないからいいんだけどこういう寒い日はなにかしらの防寒具が欲しいなと思ったりまぁ言ったところで返ってくるのは拳だけなんだけど、、、。
クラスはありがたいことに暖房が効いている。
それと璃亜武の防寒具でどうにか寒さを紛らわす。
あたたかい、このぬくもりが僕は好き。
それにたまにお古をもらうこともあるから生きられてるのかもしれない!
って僕は誰よりも明るい性格をしていた。
だって僕のせいで周りが傷つくのはみたくないから。
「今日の体育バスケかな?」
「じゃない、雪降ってるし」
「だよね」
ちらっとこちらを見て来た。
「お前着替える時【からだ】見せろ」
「え、エッチ」
突然言い出したこの言葉は聞き耳を立てていた複数の生徒をくぎずけにした。
「ばーかβの体を誰が好むか」
「あはは、そうだよね、えっと大丈夫だよ、痣とかはないから」
そう中学生の時 聞かれてしまった本当の僕の現実を
それからというもの璃亜武は僕の体を見るようになった。
それで璃亜武家の病院に連れていかれ治療してもらってる。
僕なんかのために本当に申し訳ない。
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