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我慢しないでほしいのに
手術室に運ばれた琉架、父さんが待合室にきた。
「なぁ琉架は、琉架は大丈夫なのか?」
「大丈夫だ、助かる」
俺はその言葉に安堵しなかった。
琉架の家はどうなってるのかこの先も琉架は傷つくのかそう思うと怖い。
「なぁこれは虐待にあたるんじゃないか……。 どうにかできないですか?」
「無理だな……」
「どうして言い切れるんですか?」
「さっき電話でね、琥珀琉架についてはなにもするなとかかってきてな」
「は? どこの電話だよ」
「彼の親は政治家なんだ、だからこれ以上手を出すとこの病院になにが起こるか分からない、璃亜武すまないな」
「……」
その言葉を聞いて俺は理解した。
もし琉架のことを世間一般に問い詰めれば小鳥遊病院をどうにかする。
つまり人質ということだ。
俺は琉架を助けられないのか。
ギリギリと歯を食いしばった。
ポンと明かりが消え琉架が出てきた。
眼帯で隠していた部分目の辺りを治療していた。
「小鳥遊先生、彼のカルテです」
「ありがとう、病室まで頼めるか」
「はい」
ガラガラと琉架は運ばれた。
「璃亜武」
「なんですか?」
追いかけようとしたところで父さんに止められる。
「私も医者だ、彼をこのまま見過ごすなんてできない、お金とか関係なしに彼の面倒を見る、それが私の答えだ、だから璃亜武なにかあればこの病院に連れてきなさい」
「あ、ありがとうございます」
お辞儀をして病室に向かった。
複数の医者がまだいた。
「あの」
「璃亜武さんですね、どうぞこちらへ」
「はい」
「私は琥珀琉架くんの担当になりました、羽田 と申します。 彼のことはどこまでご存知なのでしょうか?」
「琉架は……最近知り合ったのでまだ」
「そうですか、では1つまずは彼の体重を増やしてください」
「え?! 体重ですか?」
「はい、中学生で160cmあるにも関わらず一般平均よりもはるかに軽いのです、これでは体力面の意味でも相当辛いでしょう、ですので必ずお昼は彼と食べてください。多い量とはいいません、食べることをまず目標にしてあげてください」
「分かりました」
「では、よろしくお願いします」
といい羽田は出て行った。
琉架の体を触った。
確かにこれは痩せすぎだ。
皮と骨。
「なに、触ってるの? エッチ……はぁ……はぁ」
「琉架!! いつから目覚まして」
「あー体重とか……んー璃亜武が気にすることじゃないよ、僕のせいだし」
「ダメだ、俺の言うこと聞かないと絶対にダメ!!」
「えええ、意地っ張り」
「どっちがだよ」
「えへへ」
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