そのまま乳暈を円を描くようになぞられて、指先で尖端をカリカリと弾かれたら堪らない。ぞくぞくっと痺れるような快感が全身を支配して、純は背を仰け反らせる。 「ぁっ、あっ、あぅっ、やだぁ…っ」 　なぞられては弾かれ、絶妙な力加減で強引に高められた身体は疼いて、下腹部がきゅぅぅうと収縮する。 　思わず正和の腕を掴んで爪を立て、イヤイヤとかぶりを振れば、彼はより執拗に純を責め立てた。 「嫌？　好きでしょ、これ？」 「っう…あっ、あぁ…っ」 　彼はスーッと目を細めると、弱いところを二本の指先でトントンと嬲ってくる。純の腰がびくびく跳ねるのを見て、嘲笑うように胸を愛撫していた手を下腹部に滑らせる。 「ほら、こんなに大きくなってる」 　そう言って、彼は昂りの先端を手のひらで撫でるように捏ね回す。 「はっあぁう…やっ…それ、は…っ」 　蕩けるような愉悦に、純はつま先をピンッと張り、体をさらに火照らせる。弱い所を知り尽くした彼の愛撫に逆らえるはずもなく、純は一際大きな嬌声を零して強請るように腰を揺らした。 「あっあぁぁ…っ」 「やらしい」 　見せつけるようにゆっくり手を離されると、先走りの露が彼の手のひらと昂りを繋ぐ。 　カアアァっと真っ赤に染まった顔を背ければ、指が三本に増やされて、純は羞恥心を感じ取る余裕さえ失い、快楽に呑み込まれた。 「あっ、っぅ、正和さ、ん」 「んー？　これ好き？」 「ち、がっ…それ、だめ…っ、も、ぃく」 「だーめ。いくときは一緒に、ね？」 　責め立てる彼の声音さえ愛撫となって、腰骨の奥がぞくりと震える。 「うぅ…あっ、いじわ──」 　咎めるように口を開けば、その言葉は彼の口の中に熔けた。唇を塞がれるたび、思考までじわじわと溶け出して、頭が熱に霞む。 「はっ、ンん…っ」 　何も考えられなくなって、彼の腕を掴んでいた手を解けば、彼の屹立したものが蕾に押し当てられた。頭ごと抱き寄せられ、口付けがさらに深くなる。 「んぅ…ふ、ぁっ」 「……っ」 　彼の熱塊が一気に挿入ってくる。無遠慮に最奥まで捩じ込まれ、お互いの肌がより密着して息が上がる。 「はっ、あ…まさかず、さ…っ」 「愛してるよ、純」 　切迫詰まった声で告げられて、鼓動がさらに激しくなった。心の奥にじんと沁みていく言葉を噛み締めて、彼の顔を見上げる。 　差し出した想いに、彼はいつもそれ以上のぬくもりで応えてくれる。何度言われてもその言葉の重みは変わらないまま、彼はまっすぐに伝えてくれる。 　そんな彼のことが、大好きだ。 　けれど、そんな想いに浸る間もなく、彼の動きは激しさを増し、純の思考はまた快感の波に呑み込まれる。 　 胸の奥がじんわりと熱を帯び、沈む意識の中で、純は応えるように彼の背にそっと腕を回した。 　おしまい