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第4話

「ありがとう。手紙はあとで読むね」  彼はそう言って指ですり…、と純の手を撫でて手紙を持つ手を緩めさせると、もう一方の手で手紙を受け取り、カウンターに置く。  掴まれた手はそのまま下ろされて、腰に手を回され顔の距離が近くなる。数瞬視線を搦め合ったあと、お互いの唇が自然に重なる。  舌先で弱い上顎を擽られ、呼吸ごと舌を搦め取られて、それは次第に激しさを増す。 「はっ、ぁ、ンん……っ」  そのまま彼の熱に押され、気づけば純はじりじりと後退していた。カウチソファの縁に膝裏がとん、とぶつかり、視界が反転する。  高窓から差し込む日の光に目を眇めれば、一瞬のうちに彼の身体が覆い被さって、両手首をソファに縫い留められる。 「っ……」  白昼の光で我に返った純は急に恥ずかしくなって、瞳を揺らした。抜け出そうと身体を捩るが、理性を失った彼が逃してくれるはずもない。  彼に捕らわれた純は、どうにもならなくて下唇を噛む。  そうすれば、咎めるように再び唇を奪われた。 「ふ、ぁ…ん、はぁっ」  口腔を犯すような激しい口づけに、くらくらして熱い吐息を零す。腰骨の奥が期待と愉悦にぞくりと痺れ、彼の与える愛撫に純の理性は再び(もや)がかかった。 「は、ぁ…まさかず、さん…っ」 「純……っ」  意地悪な仮面は剥がれ落ち、揺るがないはずの余裕も消えて、ただ純を求め、燃えるような熱い視線を寄越す。  幾度となく重なる唇に自由を奪われ、気づけば下着ごとズボンを下ろされていた。ようやく唇を解放されたが、それも束の間。彼の指がそっと唇をなぞり、そのまま迷いなく中へ侵入する。  まるで口づけのように指先で舌を翻弄されて、瞳がじわりとぼやけた。 「はっ、ぁ…ん」  ──そのとき、外から鳥の囀る音が聞こえてきて純はピクリと肩を震わせる。どこでしても同じなのに、視界いっぱいに広がるリビングの開けた空間がどうにも落ち着かない。響き渡る淫らな音に、純は羞恥で視線を彷徨わせる。 「じゅーん、随分余裕だね?」  正和は純の耳元で不満げに囁いて、責めるように耳朶を噛む。 「はぁ…ぅ、ち、違っ」  彼の胸を軽く押せば、好き勝手に口腔内を動いていた指が離れ、濡れそぼったそれが蕾に当てがわれる。 「待って…へやに、行こ? ここだと──」  落ち着かなくて、ベッドに誘うが彼が聞き入れてくれる様子はない。探るように触れていた指にそっと蕾をこじ開けられて、二本のそれが一気に入ってくる。 「や、待っ……あぁっ」  彼の長い指がイイトコロを掠めて、内股を震わせる。正和の胸に触れていた手が下に落ち、手のひらを下方に向けて脚の(あわい)に伸ばす。彼の動きを止めたいのに届かない。 「はぁぅ、やっ…それ、だめ…っ」  純の頼りない抵抗に、彼の瞳はさらに熱を帯び、愛撫が一層激しさを増す。もう一方の手は首筋をなぞって下腹部に落ち、シャツの裾を捲り上げる。  

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