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「あぁっ! それ……っ」  熱い異物によって孔が少しずつ拡げられていく。中途半端に触れられているせいか、慶吾はもどかしくてしょうがなかった。  もしかして、隆光は焦らしているのだろうか。ふとそんな考えがよぎった。 「ミツ、もう、それいい……早く、挿れろよ」 「えー。そんなに欲しいんですか?」  じゃあ、と、隆光は顔と両手を慶吾から離してしまった。そしてカチャカチャと、金属のぶつかる音がした。布の擦れる音がして、ようやく慶吾の求める熱が得られると思った。  だが、慶吾に覆いかぶさる格好になった隆光は満面の笑みを浮かべていた。  これは、何かよからぬことを考えているに違いない。 「そんなに俺が欲しいんでしたら、自分で挿れてくださいよ」 「へっ!?」 「あ、その格好だと大変ですよね」  そう言って隆光は慶吾の背中に手を入れると、ぐいと慶吾の上体を起こして自らは横たわった。慶吾は隆光の上に乗る体勢となった。

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