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 見つめてくる隆光の顔には余裕が溢れていた。そんな男前な姿に、慶吾は少し苛立った。  自らの下肢には猛る隆光の分身がある。これで触れられたくてしょうがない、一瞬で慶吾の頭の中は書き換えられていた。  ごくり、と喉を鳴らし、慶吾は腰を上げながら隆光のものに触れる。解れた孔に先端を宛てがい、少しずつ腰を落としていく。 「う、あ……」  肉壁を拡げていく熱が擦れるたびに身体が震えてしまう。もっと身体の奥深くに、この楔をうずめたい。ぞくぞくと勝手に動いてしまう全身を必死で抑えつけながら、慶吾は限界まで隆光のペニスを咥え込んだ。 「ミツ……はいっ、た」 「それだけでいいんですか?」 「っ……や」 「きれいな顔をとろけさせながら言われたって説得力ないですよ」 「そんな、わけ……」 「ほら、どうしたいんですか?」  隆光が求めていることも、慶吾がしたいことも、同じことに違いない。じっと見つめてくる瞳はやけに輝かしく思えた。

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