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と、こんな風に……
そんな昔話が、今でもこの雪山の奥深くで語り継がれております。
あの吹雪の夜も、こんなふうに静かだった――まるで、何事もなかったかのように。
……え? ええ、そうですとも。
たしかに少し、お話が長くなってしまいましたね。
喉が渇いたでしょう?
さぁ、どうぞ。
今日、搾りたての乳です。
あなたのお口に合えば良いのですが……
え? 昔話のようだ?
はははっ……おかしなことを……。
ふふっ……さ、召し上がってください。
……今日の味は――特に新鮮ですよ。
ささ、ぐいっと。
……一気飲みされるほど、美味だとは……
こちらも嬉しゅうございます。
飲んだことのない乳……そうですか……。
それはそれは……。
吾郎さんに感謝せねばなりませんね……。
そうそう。
ちょうど、真白がお腹を空かせていたところなんです。
ふふ……楽しみです。
あなたの味。
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