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第3話 ⭐️
ぽつりと呟く主人の声に、真白の表情が、すっと曇った。
それでもなお、媚 びるように擦り寄るその姿は、哀れで、美しかった。
――欲しい。
吾郎は唾をごくりと飲んで、目の前の白い肢体を見つめていた。
真っ赤に熟れた乳首。
真っ赤に腫れた臀部。
真っ白で汚された太腿。
香ばしく、甘ったるい匂いが鼻をつくたび、胸の奥で何かが蠢いた。
一度吸い込んだら、もう逃れられない。
――俺が育てれば、きっと……もっと搾れる。
気づけば吾郎は硬くなった自身を握っていた。
「あえっ……ご主人様っ……ご主人様ぁっ……!」
一際甲高い真白の声が響く。
ゆったりした破裂音は、だんだんと速くなり、音の激しさを増していく。
もう終わりが近づいていた。
「ああ……出すぞ……奥に……出してやる」
「あううっ……来てぇっ! ご主人様の種……ぇ……いっぱい……いっぱいくださいぃっ!」
主人のくぐもった声が聞こえた瞬間――
「ふぁああああああっ!」
真白の絶叫とともに、乳首と屹立から白濁液が大量に発射された。
蕾からは中に収めきれなかった精液が、ふくらはぎを伝い、ぬるりと地面に落ちた。
主人は身体を震わせながら、数回腰を打ち付けて、やっと真白を解放した。
「ご……ご主人様ぁ……んむっ……」
主人が「掃除だ」と言わんばかりに、真白の口に怒張を寄せた。
真白は残り種を一滴も零さぬよう、必死に咥えて舌で舐め上げる。
真白の柔らかそうな赤い舌。
主人の恍惚の表情。
吾郎はたまらず、自身を扱いた。
しかし、すぐに主人は乱暴に真白を突き離した。
「そろそろ……お前のために別れの準備をしておかないとな」
真白の唇が震えると、ぼろぼろと涙がこぼれ落ちた。
その悲壮感漂う真白の顔に、吾郎の怒張が一層膨らんだ。
「ご主人様……お願いです……おそばに……いさせて……」
主人はふん、と鼻を鳴らすと、その場を去っていった。
月明かりが、真白の肢体を照らす。
――あれほどの快楽を、この身で確かめずに帰れるか……。
吾郎は、もう限界だった。
ドクドクと脈打つ自身を握りしめ、戸を開けた。
真白は音に身体をびくつかせると、吾郎を見て震えあがった。
吾郎の加虐心に火がつき、思わず舌なめずりをする。
一歩近づくごとに、真白は身体を震わせ、涙を流した。
「こ……来ないでください……っ」
真白の弱々しい声が、残った理性を奪っていく。
「どうせ……お前は俺のものになるんだ……少しくらい味見をさせろ……」
「くひっ……!」
まずは乳をたらふく吸いたかった。
真白の赤く尖った乳首をしゃぶったが、思った以上に乳が出なかった。
先程の行為で、出が悪くなったのだろう。
「乳はこうすると、また出るんだ」
吾郎は乳首に歯を立てた。
「あひぃいいいいい!」
真白の乳首から勢いよく乳が飛び出した。
甘く芳醇 で、ずっと口に含んでいたいような旨み。
乳首を吸っていると、そばで真白が我慢できずに喘ぎを漏らした。
「やっ……やめてっ……あっ……乳はっ……ご主人様の……」
「うるせえ、今日から俺がご主人なんだよ。もっと吸わせろ」
「はううっ……あっ……ああっ……吸わないで……ぇ……」
ひとしきり乳を飲むと、吾郎は欲棒を握りしめた。
己の怒張が、中で爆発したいと暴れ回っている。
吾郎は立ち上がり、真白の後ろへ回った。
真っ赤に腫れた臀部を撫でると、真白の身体がびくりと跳ねた。
「ううっ……お願い……種付けしないで……そこはご主人様の……」
「うるせぇな。……ご主人様より、俺の濃い種を注いでやる」
「いやっ! いやぁっ!」
真白は必死に逃げようとした。
身体を捩 るも、枷 が冷たく鳴るだけだった。
その逃げる姿が、自分を誘っているようで吾郎はごくりと喉を鳴らした。
そして、怒張を臀部に押し付けた。
真っ赤な蕾がひくひくと蠢くと、たらりと主人の白濁が流れ落ちた。
まるで、次の相手を待っているように。
「へへっ……俺が……俺が孕ませてやる……」
蕾に先端を押し込もうとした、その時だった。
ダンッと何かを割った音とともに、目の前に真っ赤な花びらが散った。
その瞬間、真白の美しい肢体が、真っ赤に染まり始める。
身体にふりかかる液体は温かいのに、身体はどんどん冷たくなっていく。
すぐに肩に強烈な激痛が走った。
「うぐうううう!」
床に視線をやると、そこに腕が落ちていた。
紛れもない――自分の腕だった。
自然と足が折れて、その場に倒れ込んだ。
「ようやく、真白の養分が来てくれて助かったよ」
背から主人の声がする。
あまりの痛さに振り向くこともできない。
ぴちょん、ぴちょん……と主人の持っている刃物から、何かが滴り落ちている音が聞こえる。
服にじわじわと自分の血液が染みていった。
「真白、久しぶりの『肉』だぞ。栄養たっぷりだ」
――こいつは……何を、言ってるんだ。
「よかったな。お前の乳をもっと美味しくしてくれるぞ」
少しずつ視界が狭まっていく。
誰も助けてくれない。
真白はただ、見つめている――それだけだった。
そして、遠くで真白の声がした
「だから、来ないでって言ったのに」
その声は、諦めか……嘲笑か……。
もう確かめる術はなかった。
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