3 / 4

第3話 ⭐️

 ぽつりと呟く主人の声に、真白の表情が、すっと曇った。  それでもなお、()びるように擦り寄るその姿は、哀れで、美しかった。  ――欲しい。    吾郎は唾をごくりと飲んで、目の前の白い肢体を見つめていた。  真っ赤に熟れた乳首。  真っ赤に腫れた臀部。  真っ白で汚された太腿。  香ばしく、甘ったるい匂いが鼻をつくたび、胸の奥で何かが蠢いた。  一度吸い込んだら、もう逃れられない。  ――俺が育てれば、きっと……もっと搾れる。  気づけば吾郎は硬くなった自身を握っていた。 「あえっ……ご主人様っ……ご主人様ぁっ……!」  一際甲高い真白の声が響く。  ゆったりした破裂音は、だんだんと速くなり、音の激しさを増していく。  もう終わりが近づいていた。   「ああ……出すぞ……奥に……出してやる」 「あううっ……来てぇっ! ご主人様の種……ぇ……いっぱい……いっぱいくださいぃっ!」  主人のくぐもった声が聞こえた瞬間―― 「ふぁああああああっ!」  真白の絶叫とともに、乳首と屹立から白濁液が大量に発射された。  蕾からは中に収めきれなかった精液が、ふくらはぎを伝い、ぬるりと地面に落ちた。  主人は身体を震わせながら、数回腰を打ち付けて、やっと真白を解放した。   「ご……ご主人様ぁ……んむっ……」  主人が「掃除だ」と言わんばかりに、真白の口に怒張を寄せた。  真白は残り種を一滴も零さぬよう、必死に咥えて舌で舐め上げる。  真白の柔らかそうな赤い舌。  主人の恍惚の表情。  吾郎はたまらず、自身を扱いた。    しかし、すぐに主人は乱暴に真白を突き離した。 「そろそろ……お前のために別れの準備をしておかないとな」  真白の唇が震えると、ぼろぼろと涙がこぼれ落ちた。  その悲壮感漂う真白の顔に、吾郎の怒張が一層膨らんだ。   「ご主人様……お願いです……おそばに……いさせて……」  主人はふん、と鼻を鳴らすと、その場を去っていった。  月明かりが、真白の肢体を照らす。  ――あれほどの快楽を、この身で確かめずに帰れるか……。    吾郎は、もう限界だった。  ドクドクと脈打つ自身を握りしめ、戸を開けた。  真白は音に身体をびくつかせると、吾郎を見て震えあがった。  吾郎の加虐心に火がつき、思わず舌なめずりをする。  一歩近づくごとに、真白は身体を震わせ、涙を流した。 「こ……来ないでください……っ」  真白の弱々しい声が、残った理性を奪っていく。 「どうせ……お前は俺のものになるんだ……少しくらい味見をさせろ……」 「くひっ……!」  まずは乳をたらふく吸いたかった。  真白の赤く尖った乳首をしゃぶったが、思った以上に乳が出なかった。  先程の行為で、出が悪くなったのだろう。   「乳はこうすると、また出るんだ」  吾郎は乳首に歯を立てた。 「あひぃいいいいい!」  真白の乳首から勢いよく乳が飛び出した。  甘く芳醇(ほうじゅん)で、ずっと口に含んでいたいような旨み。  乳首を吸っていると、そばで真白が我慢できずに喘ぎを漏らした。   「やっ……やめてっ……あっ……乳はっ……ご主人様の……」 「うるせえ、今日から俺がご主人なんだよ。もっと吸わせろ」 「はううっ……あっ……ああっ……吸わないで……ぇ……」  ひとしきり乳を飲むと、吾郎は欲棒を握りしめた。    己の怒張が、中で爆発したいと暴れ回っている。  吾郎は立ち上がり、真白の後ろへ回った。  真っ赤に腫れた臀部を撫でると、真白の身体がびくりと跳ねた。   「ううっ……お願い……種付けしないで……そこはご主人様の……」 「うるせぇな。……ご主人様より、俺の濃い種を注いでやる」 「いやっ! いやぁっ!」  真白は必死に逃げようとした。  身体を(よじ)るも、(かせ)が冷たく鳴るだけだった。  その逃げる姿が、自分を誘っているようで吾郎はごくりと喉を鳴らした。  そして、怒張を臀部に押し付けた。  真っ赤な蕾がひくひくと蠢くと、たらりと主人の白濁が流れ落ちた。  まるで、次の相手を待っているように。 「へへっ……俺が……俺が孕ませてやる……」  蕾に先端を押し込もうとした、その時だった。  ダンッと何かを割った音とともに、目の前に真っ赤な花びらが散った。  その瞬間、真白の美しい肢体が、真っ赤に染まり始める。  身体にふりかかる液体は温かいのに、身体はどんどん冷たくなっていく。  すぐに肩に強烈な激痛が走った。 「うぐうううう!」  床に視線をやると、そこに腕が落ちていた。  紛れもない――自分の腕だった。  自然と足が折れて、その場に倒れ込んだ。 「ようやく、真白の養分が来てくれて助かったよ」  背から主人の声がする。  あまりの痛さに振り向くこともできない。  ぴちょん、ぴちょん……と主人の持っている刃物から、何かが滴り落ちている音が聞こえる。    服にじわじわと自分の血液が染みていった。 「真白、久しぶりの『肉』だぞ。栄養たっぷりだ」    ――こいつは……何を、言ってるんだ。 「よかったな。お前の乳をもっと美味しくしてくれるぞ」  少しずつ視界が狭まっていく。  誰も助けてくれない。  真白はただ、見つめている――それだけだった。    そして、遠くで真白の声がした   「だから、来ないでって言ったのに」  その声は、諦めか……嘲笑か……。  もう確かめる術はなかった。    

ともだちにシェアしよう!