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第36話 抱き枕として
それから真柴に指名されることが続いた。頻度は多く、週に一度や二度、毎週続けて指名を受けた。指名する時間はどんどん延長されて6回目の指名の時は8時間コースを選択してきた。余程桜が真柴の不眠症解消のための抱き枕として有用と考えたようだ。真柴は長時間桜と共に過ごしているにも関わらず、性的なplayを一切してこない。指名してきた時間のほとんどを桜との添い寝にあてている。そのため、桜は真柴の添い寝に付き合って好きなように寝たり、起きてスマホゲームをしてもいいという好条件に悪い気はしなかった。ナンバーワンになった桜目当ての新規の客が増える中、真柴とのゆるやかな時間だけが多忙な桜の身体と心を癒した。
(真柴って客。ほんとに性的なことしてこねえな。こんなに楽に8時間分添い寝して稼いでたらミケ先輩に調子に乗るなって言われそうだ)
そんな絶好調な売上を叩き出す桜の日常に陰を落とす出来事が降りかかった。
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