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1.攻め視点
PCの明かりが頼りの薄暗い部屋。
その前に座っている男は前を寛げさせ、何やらぶつぶつと言っている。
手に持っていたハンカチを肺いっぱいに吸い、左手で懸命に扱いていた。
「好き、好き好き⋯⋯初田君⋯⋯はぁ⋯⋯可愛い⋯⋯」
興奮と幸福で満ちている男は小さく呻いた。
左手に包まれていたそこから吐き出され、その一滴がPCの画面に飛び散った。
「はぁ⋯⋯あまりにも可愛くて、僕、射精しちゃったよ⋯⋯」
さらに頬を緩め、遠くから撮影した"初田"と呼ぶ男子を見つめていた。
画面に付着したものが、まるでその男子に顔射したように見えた時、興奮を感じた。
が、しかし。
「拾ったハンカチで毎日シていたら、初田君の匂いがなくなっちゃった⋯⋯」
写真でもできなくはないが、あの時のときめきを思い出しながら、初田君だと分かる匂いを嗅ぎながらシたい。
また本人の物を拾ってするべきか。いや、早々落とすことはないだろうし、接する機会なんてもってのほか。
どうすべきか。
「いや」
男はあることを思いついた。
「だったらいっそのこと、本人の匂いを嗅げばいいんだ」
口にしたらいけるような気がした。
絶対にいける。
そうだとしたら、実行しないと。
「待っててね、初田君」
笑いかける初田の横顔にほくそ笑んだ。
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