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3)初めてお口で。。
僕、悠利は部屋のベッドに寝転がり、頭の中であの日のことを何度も繰り返していた。茂の家で、僕だけが先にイッてしまったあの瞬間。茂の手の温かさ、震える指先、切なげに響いた自分の声。思い出すたび、胸の奥が熱くなって、顔がカッと火照る。あぁ、僕だけ気持ちよくなって、なんか悪いことしたかな…。次は絶対、僕が茂を気持ちよくしてあげなきゃ。そう思うのに、具体的にどうすればいいのか、頭がぐちゃぐちゃだ。
お口で…とか? うーん、いきなりそれはハードル高すぎるよな。ネットで「男同士のまぐわい」なんて検索してみたけど、出てくるのはハードな動画や記事ばかりで、余計に混乱する。恥ずかしくて画面を閉じそうになりながら、ふと女性向けのサイトにたどり着いた。
「彼氏にゴムをつけてもらって、まずはお口でしてあげましょう。抵抗があるなら、これが一番安心」。
なんじゃそりゃ、って一瞬笑っちゃったけど、よく考えると…悪くないかも。ゴムの感触なら、ちょっと安心できそう。
だけど、ゴムって…コンビニで買うの? 店員の目、めっちゃ気になるんだけど。
スマホを握りしめながら、頭の中でシミュレーションした。コンビニのセルフレジなら、商品名を読み上げられたりしないよな?
よし、昼間に下見して、棚の位置をチェック。他のお客さんがいないタイミングを見計らって、タオルとか適当な買い物でカモフラージュして…。
考えるだけで心臓がバクバクするけど、茂のために頑張ってみようって、なぜかそんな気持ちが湧いてきた。
その日の夕方、コンビニでドキドキしながらゴムを手に取り、セルフレジで無事に会計を済ませた。
家に帰って、部屋のドアに鍵をかけて、ベッドの上で震える手で袋を開ける。
ゴムの包装って、こんなに派手なの? 裏表があるんだな、ってネットに書いてあった通りだ。
ビニールに包まれたソーセージを手に持って、ゴムをかぶせ、試しに…ちょっとだけ咥えてみる。
ゴムの匂いが少しするけど、慣れれば平気…かな? 舌を動かす練習、って書いてあったっけ。
こうやって、ゆっくり舐める感じ? なんか、変な気分になってくる。
無意識に自分の乳首を触ったら、急に股間に熱い波が押し寄せてきた。自分でしてるこの状況、めっちゃ恥ずかしいのに、なぜか興奮してる。
やばい、我慢できないかも…。頭がぼーっとした瞬間、衝動的にスマホを手に取り、茂にLINEを送った。
「なあ、もしよかったら…今から来ない?」
送信した瞬間、恥ずかしさで死にそうになった。誘ってるの、バレバレだよね。茂からの返事はすぐ来た。
「シャワー浴びてすぐ行く。笑」その「笑」に、なぜかホッとして、でも同時にドキドキが止まらなくなった。
茂が家に来たとき、僕の心臓は破裂しそうだった。部屋に上がって、ベッドに並んで座る。言葉が出てこなくて、気まずい沈黙が流れる中、意を決して口を開いた。
「えっと…これ、つけて。裏表あるから…その、僕、口でするから…」
声が震えて、顔を上げられない。茂が少し驚いたように目を見開くけど、すぐに柔らかい笑顔になった。
「お、悠利、めっちゃ準備いいじゃん」って、からかうような声に、余計に顔が熱くなる。
茂は慣れない手つきでゴムをつけ、僕をそっと抱き寄せた。その温もりに、胸がキュッと締め付けられる。
意を決して、僕は茂の股間に顔を近づけた。ゴムの感触が唇に触れると、ほのかな匂いと滑らかな質感が広がる。
心臓がバクバクして、頭が真っ白になりそう。とりあえず、舌をそっと這わせてみる。「あ…こんな感じ、だよね…」と呟きながら、ゆっくり動かす。
茂の体がピクッと反応し、「やば…悠利、気持ちよすぎる…」と掠れた声が漏れる。その声に、僕の全身にゾクゾクとした快感が走った。
茂の手が僕の髪に触れ、優しく撫でられる。もっと気持ちよくしてあげたいって思うのに、舌の動きがぎこちない。
必死に動かすたび、茂の吐息が荒くなり、「あ、我慢できないかも…」と呻くように言う。
その瞬間、茂の手が僕の胸に伸び、乳首をそっと摘まれた。思わず「あっ…」と声が漏れ、頭がクラクラする。
茂の欲望がゴム越しにビクンビクンと脈打つのを唇で感じて、僕自身もたまらなく熱くなった。
茂が果てた瞬間、彼の体が脱力してベッドに沈んだ。「はぁ…悠利、すごい…」と息を切らしながら笑う彼の顔が、なんだか愛おしくて、胸がぎゅっと締め付けられる。
でも、ふと茂が僕の方を見ると、僕の股間はもう興奮で先走りが滲んでいた。「お、悠利、めっちゃ準備できてるじゃん」と笑う茂に、顔が真っ赤になる。
まだ興奮が冷めないうちに、茂は僕の胸に唇を寄せ、乳首を優しく吸った。その温かくて柔らかな感触に、僕は「あ…っ」と声を上げ、体の力が抜ける。
茂の手が僕のを軽く撫でた瞬間、快感が電流のように全身を駆け巡り、あっという間に果ててしまった。
「相変わらず敏感すぎるな」と茂が笑う。恥ずかしくてシーツに顔を埋めたけど、どこか満たされた気持ちが広がる。
二人でシャワーを浴びながら、ぎこちなく笑い合った。互いに果てたこと、こんな近くで繋がれたことに、静かな満足感が胸を満たす。
シャワーを浴びた後、ベッドで横になりながら、茂の横顔をそっと見た。あの瞬間、僕の唇で彼を高ぶらせたこと。
僕の手で、僕の舌で、茂が感じてくれたこと。それを思い出すだけで、胸の奥が熱くなる。次はもっと上手になりたい。
茂の声を、もっと聞きたい。そんな気持ちが、静かに、でも確かに芽生えていた。
次の日、学校で茂に会ったとき、目が合うと昨日のことがチラッと頭をよぎる。茂の柔らかい笑顔に、僕もつられて笑った。言葉には出さないけど、二人とも次を楽しみにしてる。それだけで、なんだか世界が少し明るく見えた。
夜、茂からLINEが来た。「次はもっとゆっくりやろうな。悠利の声、めっちゃ好きだから」って。そのメッセージに、顔が熱くなって、でも嬉しくて、思わずスマホをぎゅっと握りしめた。
「うん、僕も…茂のこと、もっと気持ちよくしたい」って返事を打ちながら、週末が待ち遠しくてたまらなかった。
ベッドに横になり、目を閉じると、茂の温もりが頭に浮かぶ。このドキドキは、どこまで続くんだろう。
まだわからないけど、こんな気持ち、初めてだ。静かに眠りにつきながら、僕は茂との次の時間を心から楽しみにしていた。
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