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第142話 R18

「シュウくん。起きて」 「ふぇ?」  ゆっくりと目を開くと唯斗の顔がすぐそばにあった。どうやら飲みすぎてしまったらしい。へろへろになりながら立ち上がると、がくっと膝からよろけてしまう。唯斗に支えられながら部屋に戻る途中もぼんやりとしていて頭が働かない。 「酔いを覚まさないと」  唯斗にそっと囁かれ、ううんと唸っていると水の入ったペットボトルを持ってきてくれた。こくこくと飲んでいると、額を濡れタオルで拭かれた。 「ちょっと休んだほうがいいんじゃない?」  義則の声が耳を掠める。心配してくれているらしい。心の中でお辞儀をする。 「じゃあ先に入ってるから」  そう言って四人は露天風呂に向かっていった。リビングのような作りになっている居間のソファに寝転んでいると、ふんわりと抱きしめられる。あたたかい。この温もりにずっと包まれていたい。その一心で秀治もおぼろげな意識の中で手を広げる。  この幸せが永遠に続いていけばいい。そう何度も願って意識を手放した。  とんとん、と背中を叩かれる振動で目を覚ます。ビッグサイズの白いソファの上で唯斗に横抱きにされながら眠ってしまっていたらしい。酔いの覚めた頭で窓の外を見る。もう真っ暗だ。海の堤防の灯りがちらつくだけで、あとはもう完全な闇が広がっている。 「大丈夫? 酔いは覚めた?」  心配そうな声でそう聞かれて申し訳ない気持ちになる。はしゃいで許容量を超えた酒を飲んでしまったせいだ。 「もう、大丈夫。お風呂入らなきゃ……」  よろよろと立ち上がると、その体を支えてくれる逞しい腕を感じた。 「俺が連れてってあげるから、無理しないで」  優しく声をかけられ、安心して身を任せた。眠っていたのは数十分のことだったらしく、露天風呂には四人の姿がまだあった。友人の恋人なので、裸を見られても構わないと思い服を脱ぐ。それに、唯斗さんも一緒だし……。隣で服を脱ぐ唯斗を盗み見ながら、湾曲した鎖骨に目がいってしまう。いつも綺麗な形をしているなと思っていたが、まだ酔いが覚めきっていないのか体が勝手に動いてしまう。唯斗の鎖骨に指を這わせた。それも裸で。普段の秀治なら考えられない行動に唯斗の動きが止まる。

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