28 / 37
第28話 エロエロで誘ってよ
「大丈夫、大丈夫」
光輝が抱きしめて背中を撫でる。
冷司はボロボロ涙を流し、彼の胸に顔を沈めた。
ふがいない、なんてふがいない自分の身体。
「大きく息して、大丈夫だよ。
夜は長いし、明日はお休み。ゆっくりしよ」
ああ、光輝は全然焦ってない。
その言葉が、冷司の心を優しく包む。
心臓が、呼吸が、だんだん落ち着いてくる。
やっと顔を上げると、涙でグチャグチャになった顔を光輝が舐めた。
「ふふっ、ほんと泣き虫だな、冷司は。
ゆっくりしようって言っただろ?だから、大丈夫だよ」
「うん……」
じっと、無言で落ち着くまで抱き合って、時々光輝が頬にキスする。
「ね、光輝」
「なに?」
「あの、あのね、洗ったけどね、あなたを汚したくないから、使ってね」
ゴムのことだろう。
自分より、相手を気づかうところが冷司らしい。
「わかってるよ。大丈夫。
俺は冷司を汚したくないから、心配しなくても大丈夫だよ」
「んん、違うの。本当は、あなたの物が欲しいんだ。それ自体に意味が無くても」
「冷司……」
「本当はあなたのものを、自分の中で感じていたい。
繋がった感覚を、現実を、あなたが植え付ける物を自分の中に残したい。
僕は、幸せすぎて、…………怖い……」
片手で顔を覆い、涙を流して肩をふるわせる。
光輝は冷司の手に手を重ね、その手を取るとキスをした。
「お医者さんにね、冷司は万全じゃないから、清潔に気を付けて下さいって言われてるんだ。
ほら、本来出すとこだろ?
だから、気を付けなさいってね」
「ごめんね、ごめんね」
「謝らなくてもいいんだよ、俺は何も負担に思わないんだから。
そんな事より、今の冷司が愛し合うことを楽しめて、明日も笑って過ごせることの方が、俺には大切なんだ」
「光輝が、楽しめないのがつらいんだ」
「あははは!何言ってんの、俺十分楽しんでるぜ?
ほら、俺もうパンパンではち切れそう」
腰をグイグイ押し付け、2人の間でグリグリすると、光輝のペニスがゴロゴロ当たる。
冷司がやっと笑った。
「コウの変態紳士!」
「いいな〜それ、いい。ようし、冷司が復活したぞ。
それでは再開のキスから」
「あは、なにそ……ん、ちゅっ」
チュッ、チュッ、
光輝が冷司の顔にキスをする。
「可愛い、可愛いよ、冷司」
「うふふ……そう言うの、コウだけだよ、ん」
ちゅっ、くちゅ、ちゅっ、くちゅ、くちゅ
舌を絡めて、首筋を舐める。
「はぁ……」
「冷司、入れていい?」
「ん、いいよ。入るかどうか、トライしようよ」
「ふふふっ……」
光輝が冷司の胸を撫で、乳首をくわえて舌で転がし、腹を撫でる手を下腹部に持って行く。
「うん、はぁ……」
「ククッ、エロい声」
冷司の睾丸をふにふに手の平で揉む。
また冷司が指を噛む。
「んっ、あっ!や、やだ、早く入れよ」
冷司の足を広げて光輝が足の間に入り、身を乗り出し噛んでいる手を取った。
「今度噛んだらお仕置き。
呼吸を妨げたら駄目だよ。声を上げたい時には声を上げる。
我慢したらお仕置き」
「ん、もう、お仕置きばっかり」
「息は大きく、苦しい時は手を上げる」
「なんか検査みたい。くふふふ」
「冷司君、では今から挿入出来るか検査しますね。
お尻の力を抜いて、リラックスして、痛い時は言って下さい」
「はい、先生」
「感じた時は、素直にやらしい声上げて、もっとと言うように」
「言わないもん!」
「言うなー、もっとーもっとー、もっと激しく突いてー」
「言わないってば!」
「キヒヒヒ、余裕があるのは今のうちだぞー」
光輝がゴムを付けて、ローションをたっぷり塗る。
「はい、冷司君、足上げて自分で両足持って。
さあ、お尻を突き出すように思い切りエロく広げて、僕にエロエロで入、れ、て、って言って下さい」
カアッと冷司の顔が真っ赤になった。
恐る恐る膝裏を持って、ちょっと広げる。
「あー駄目ですねー、冷司君、エロく、僕を誘うように広げないと」
冷司がギュッと目を閉じて、大きく足を広げた。
「来て、コウ。い、入れて、僕のアナルに。
僕を狂わせて」
ピュウッと、思わず光輝が口を鳴らした。
狂わせてなんて、なんてエロい言葉だろう。
我慢に我慢を重ねた股間がたまらなくなってきた。
「いいね、もうたまらないよ。
ゆっくり入れるよ」
「ん、」
ひたりと、光輝がペニスを冷司のアナルに当てる。
冷司はギュッと目を閉じ、また激しく拍動を打ち始めた心臓に落ち着けと心でつぶやく。
そして、光輝がグイと腰を入れた。
「ひっ!」
ローションのおかげで、つるりと先端がアナルを押し広げて進む。
だが、冷司は何故か急に、恐怖心が湧き上がった。
「ひいっ!!」
先端がヌルリと侵入する、その圧迫感に恐怖が生まれ、冷司が足から手を離して腰を引いた。
「怖い、……怖い!」
思わず出てしまった言葉に、冷司が泣きそうな顔をしている。
「ご、ごめん、大丈夫、大丈夫だから……」
光輝が動きを止め、冷司が落ち着くのを待った。
ともだちにシェアしよう!

