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昼も夜も分からない狭い空間。
薄ピンクの電気が灯されているが、薄暗く、夢か現か不明瞭する暗さに加え、感覚を敏感にさせるお香が焚かれていた。
そんな空間のベッドの縁に愛賀は腰掛けていた。
先程の客との情事が終わり、おぼつかない足で次の客を迎える準備をし、その来るまでのわずかな間に休憩していた。
どの相手にも共通することではあるが、相手が満足するまで性行為をするものだから、いくら愛賀が体力の限界が来ようが、音を上げることは許されない。
だから、この僅かな時間でも眠りたいぐらいだった。しかし、愛賀からはどのくらいで次の客が来るか分からないために悠長に寝れもしない。
急激な眠りに耐えきれず、自分でも気づかないうちに寝てしまったことがあった。
その時に客が来ていたようで、来るなり挿入していた。
その知らぬ間に行為を強要され、眠っていた愛賀からすれば急な衝撃にわけも分からぬまま相手のされるがままだった。
この牢獄 に入れられてからは当たり前のことであり、その客は寝ているところを襲ってみたかったと満足気ではあったが、その一件がきっかけでまともに眠れなくなってしまった。
眠りたいのに、寝れない。
この身体はとうに限界は来ているのに、それを拒んでいるようで、寝ることを忘れてしまったかのようで。
寝ることを恐れてしまった愛賀は眠れない代わりに俊我のことを思い出した。
よく来てくれる彼のただのお喋りは、愛賀を尊重せず、痛みを伴い、一方的な愛のない情事ばかりする客達の痛みを和らげるものだった。
他愛のない話だけれども、それでもその時間だけは唯一の楽しみだった。
ずっとこの人の話を聞いていたい。
けれども、そう思えば思うほど押し寄せてくるのは、寂しさ。
会いたい。会いたくてたまらない。
この寂しさを埋めて欲しい。
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