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プロローグ:神様のスカウト

   とにかく、楽しいことだけして生きてきた。  施設育ちで身寄りはなし。十八で施設を出てからはまともに働くなんて思いもせず、フラフラ遊んで暮らして、金が無くなったら適当なバイトでちょっと稼いでまた遊ぶ。  褒められたもんじゃないけど、気ままで身軽な人生はサイコーに楽しかった。  ろくな死に方しないとは思っていたけど、まさにその通り。  気軽に引き受けた仕事が実はヤバい筋のヤツで、トラブルに巻き込まれた挙句に撃たれたのは、ちょうど二十五歳の誕生日だった。  メチャクチャ痛かったのは一瞬で、気がついたらオレはちょっと浮いたところから血を流して倒れている自分を見下ろしていた。  もしかしてコレ、死んだっぽい?  「お前、素質があるな」  透けてる自分の体に感心してたら、突然誰かの声がした。  振り向くと、黒ずくめの男が浮かんでオレを見ていた。 「神様になってみる気はあるか?」 「神様!? なるなる!」  オレは即答した。生まれてこの方、迷ったり悩んだりしたことはない。  即断即決、それがオレのモットーだ。  そんなわけで、オレは神様になった。  ちなみに、胸に風穴が開いたオレの死体は速やかに海に沈められていた。  今頃はきっと魚の腹の中だろう……あまり想像したくはない。

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