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第1話 春の光が差し込む教室で

新学期、春の陽射しが差し込む教室。 窓際の席に座った白雪 悠馬は、少し緊張しながらクラスのざわめきを聞いていた。 誰もが初めて顔を合わせる中、 隣の席に、静かに座るひとりの生徒がいた。 その生徒──久遠 蓮は、真っ白な肌に紫がかった髪を揺らして、 教室の喧騒とはまるで別世界にいるかのようだった。 ⸻ 「……久遠、蓮です。よろしくお願いします」 静かに、それだけを言った彼の声は、春風のように柔らかかった。 悠馬は思わず、隣から視線を向けていた。 「……白雪 悠馬です。よろしく」 最初の挨拶。それだけのはずなのに── 悠馬の胸が、すこしだけ高鳴っていた。 ⸻ れんの横顔を見ながら、 「この人、なんか不思議な人だな」って思ったのが、 ふたりの物語の、ほんの始まりだった──。

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