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第25話 放課後、君の隣で

授業が終わるチャイムが鳴る。 教室の空気が一気にざわめきに変わって、生徒たちはそれぞれの帰り支度を始めていた。 悠馬もカバンに教科書をしまいながら、ちらっとレンの方を見る。 「……今日、どうする?」 「俺の家、来る?」 レンがふっと笑って、少しだけ顔を近づけて囁いた。 その声の甘さに、悠馬の心臓はどくんと跳ねる。 「う、うん……行く」 放課後、制服のまま並んで歩く帰り道。 肩がふれるたびに、なんだか気恥ずかしくて、でも嬉しい。 周りにはバレていないはずなのに、自分だけが浮ついて見えてるんじゃないかって不安になる。 そんな気持ちを見透かすように、レンがぽつりと呟いた。 「悠馬、顔赤い」 「っ、そ、それはレンのせいだよ!」 ふたりは笑い合いながら、駅へと向かって歩く。 ──久遠家の玄関に入ると、空気が一変する。 静かで、少し涼しくて、落ち着く香り。 制服の上着を脱ぎながら、レンが悠馬を振り返る。 「……今日は、ちょっとだけ、甘えていい?」 その言葉に、悠馬の胸がぎゅっとなった。 「うん、僕も甘えたい」 そして、ふたりはそっと、リビングの座布団の上で隣同士に座った。 静かな午後の陽が、障子の隙間から差し込んで。 ふたりの距離が、またひとつ近づいていく──

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