25 / 25
第25話 放課後、君の隣で
授業が終わるチャイムが鳴る。
教室の空気が一気にざわめきに変わって、生徒たちはそれぞれの帰り支度を始めていた。
悠馬もカバンに教科書をしまいながら、ちらっとレンの方を見る。
「……今日、どうする?」
「俺の家、来る?」
レンがふっと笑って、少しだけ顔を近づけて囁いた。
その声の甘さに、悠馬の心臓はどくんと跳ねる。
「う、うん……行く」
放課後、制服のまま並んで歩く帰り道。
肩がふれるたびに、なんだか気恥ずかしくて、でも嬉しい。
周りにはバレていないはずなのに、自分だけが浮ついて見えてるんじゃないかって不安になる。
そんな気持ちを見透かすように、レンがぽつりと呟いた。
「悠馬、顔赤い」
「っ、そ、それはレンのせいだよ!」
ふたりは笑い合いながら、駅へと向かって歩く。
──久遠家の玄関に入ると、空気が一変する。
静かで、少し涼しくて、落ち着く香り。
制服の上着を脱ぎながら、レンが悠馬を振り返る。
「……今日は、ちょっとだけ、甘えていい?」
その言葉に、悠馬の胸がぎゅっとなった。
「うん、僕も甘えたい」
そして、ふたりはそっと、リビングの座布団の上で隣同士に座った。
静かな午後の陽が、障子の隙間から差し込んで。
ふたりの距離が、またひとつ近づいていく──
ともだちにシェアしよう!

