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第24話 教室の空気
始業前の教室。
ざわざわと賑やかな空気の中、悠馬はいつものように席に座っていた。
そこへ、レンが教室のドアを開けて入ってくる。
見慣れたはずの制服姿なのに、どこか昨日までと違って見えた。
「おはよう、悠馬」
「おはよう、レン……」
そのやりとりだけで、何人かのクラスメイトが「ん?」という視線を向ける。
距離感も、目の優しさも、ちょっとした仕草さえも。
ふたりの空気は、微かに変わっていた。
「なぁなぁ、白雪って久遠と仲良かったっけ?」
「えー、なんか雰囲気違くね?」
ひそひそと囁く声。
でも、そんなの気にする様子もなく、レンは悠馬の隣の席に腰かけた。
「……なんか、見られてる気がする」
「うん、ちょっとね」
レンは、笑いながら小声で囁く。
「でも、大丈夫。俺たちがちゃんと向き合ってれば、それでいいよ」
悠馬は、その言葉にホッと息を吐いて、ふわりと微笑んだ。
「そうだね……うん、僕もそう思う」
恋人になったことで、変わることもある。
でも、変わらない信頼と安心が、そこにあった。
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