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第23話 朝が来ても

「ん……」 レンが目を開けると、すぐそばには寝息を立てる悠馬の顔。 鼻先が触れそうなほどの距離で、静かに眠っている。 「ふふ……かわいい」 レンは、まるで宝物を見つけたかのように、そっと髪を撫でた。 昨日の夜交わした言葉、交わしたキス、優しいぬくもり。 全部が夢みたいで、でも確かに胸の奥であたたかく残っていた。 「……レン……?」 目を覚ました悠馬が、眠たそうに目をこすりながらつぶやいた。 「おはよう、悠馬」 「おはよう……んー……」 悠馬がレンに腕を伸ばし、ぎゅっと引き寄せる。 そして小さな声でささやいた。 「……今日も好きだよ」 それだけで、レンの顔が一気に赤くなる。 「もう、朝からずるいよ……!」 「レンの顔が見れたら、朝がすごく幸せに思えるんだ」 「……バカ」 そう言いながら、レンもまた、そっと額を悠馬の胸に押し当てた。 少し照れくさくて、でも本当に嬉しい。 恋人になった朝は、昨日までのどの朝よりも、ずっと温かかった。

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