10 / 10

続 崩壊した世界で 完

 ーーー  一番風通しのいい部屋で軽羅を寝かせた歳星は、庭に出ていた。 「なーにやってんの」  サツマイモを茹でている幻曜が呆れた眼差しを向けてくる。焚き火の周りに簡単組み木をして、その上に鍋を置く。  下山してショッピングモールに顔を出してきた彼は、お土産にとサツマイモをたくさんもらって帰ってきた。ショッピングモールを仕切っていたあいつら――幻曜のペット――は真面目に働いているようだ。全裸で。 「気絶するまでヤる?」 「惚れた子と二人きりになったら狼になるでしょ。誰だって」  歳星は獲った魚を網の上で焼く。軽羅に任せっきりで魚の捌き方が分からなかったので、腹切って内臓らしきものだけくり抜いた状態。時折団扇で風を送る。パチパチと焼けていく。 「涼しげな顔して性欲強いんだから」 「幻曜さんはペットに服を着せたらどうですか? 視界テロですよ」 「服着てる豚さん見たことある?」  話通じないなと魚をひっくり返す。結構焦げてしまっていた。 「あーあ! やっちゃった」 「いや。いい感じだよ。魚は中まで火を通した方が良い。表面が焦げてないと中は生焼けの場合が多いよ。食べるの人間なんだし。寄生虫とかサ」 「……」  たまにびっくりするほどまともなことを言うので、幻曜に向ける感情の矢印がぐにゃぐにゃになる。これで善人だったらな。……頭打って人格変わらないかな。  遠くから、複数の足音が聞こえてくる。はっきりとした足取りで。  強者二人は表情を引き締めた。 「幻曜さん」 「ゾンビ、じゃないね」  歳星は多少緊張した面持ちだが、幻曜は箸でつついてイモの硬さを確認している。  やがて山奥から現れたのは迷彩柄の軍服に身を包んだ、強面の大人たちだった。背中には大きな銃を斜めに背負っている。  彼らは歳星たちに真っすぐ近づいてきた。 「『超重度感染者』――二体発見」 「うむ」  彼らは歳星たちを取り囲むように立つと、一人が前に出た。 「自我はあるかね?」 「……えっと。はい」 「目を見れば分かるでしょー?」  箸で偉そうに人を指差している。  隊長なのか、一人だけ赤い帽子の男が不快そうに顔をしかめた。 「お前たち、二人だけか?」  歳星は魚が焦げていないか尻尾を摘んで焼け具合を確認する。 「あなたたちは?」 「まずそっちから名乗ってよー。少年たちでも自分から名乗ってたよー? あーやだやだ」  へっと馬鹿にするような笑みの幻曜。一人が前に出ようとしたのを、赤い帽子が制する。日本人とは思えないほど筋肉に覆われ、ゾンビも素手で殴り倒せそうだ。眉毛は剃られており、濃いお髭がかっこいい。 「失礼した。我らは六前田銀瑛(ぎんえい)氏の『私兵』。長の綺羅璃(きらり)だ」 「……」 「……」  ……名前、可愛い…… 「え、っと。歳星です。こっちのイカレ野郎が幻曜さん」  ぱきっと箸が折れる。 「後で話し合おうね」 「我らは『日本復活』を掲げ、有志を募っている。『超重度感染者』を見つけることができるとは願ってもない。どうだ。我らと一緒に、日本を救わんか?」  突然の話に吸血鬼たちはぽかんと見上げる。 「もちろん。寝床や食料も確保してある。日本復活の暁には特別な地位も用意しよう。考えてみてくれないか?」 「歳星君。魚」 「あっ!」  ぼけーっとしていた歳星は飛び上がる。急いで七輪から下ろせば、黒焦げ一歩手前だった。だがよく焼けており、上手そうな油が皿に流れ出る。 「おおー。お、俺でも料理できた!」  顔を輝かせ皿を持って両手を上げる。が、すぐに周囲の視線に気づき、おずおずと手を下げた。  赤い帽子の綺羅璃が笑う。 「ははは! ――失敬! 『超重度感染者』と身構えていれば、案外可愛いのだな」 「普通の少年みたいだ」 「おい。油断するな。人外の力を振るう生き物だ」  私兵たちの反応に顔を上げなくなっちゃった歳星を鼻で笑い、幻曜は膝に頬杖を突く。 「でも食料を用意してあるって……。吸血鬼の食料が何か知ってるワケ?」 「吸血鬼?」 「はー。なーんに知らないのか」 「どういう意味だ」  幻曜は面倒臭いと言わんばかりにイモをつつく。そのため綺羅璃たちの目線が歳星に向かった。  歳星は気分屋な幻曜にため息をつく。 「『超重度感染者』……。俺たちは血液が主食なんです」 「食糧って、処女でも用意してくれてるのぉ?」  食料が血液と聞いても、彼らは動揺しなかった。 「無論だ。働きに応じて血液を融通しよう。数十名ほどの民間人を保護している。好きな個体を選びたまえ」  歳星はわずかにぎょっとした。 「個体って……そんな言い方」 「この日本にもはや法や道徳など無い。生き残れるのは力ある者だけだ。庇護下にいるのならば、民間人とはいえどそのくらいはしてもらわないとな」  うんうんと実力主義者(幻曜)が、鼻歌混じりに頷いている。 「『超重度感染者』。お前たちで言うところの吸血鬼の力は理解している。戦争時、目の当たりにしたものだ。あれは化学兵器でどうこうできる存在ではなかった。……そうだろう?」  歳星と幻曜は頷かなかった。当時、歳星はまだ子ども。幻曜は(面倒臭がって)戦争に不参加。故に、戦争の話をされても「知りません」としか返せない。  黙する二人に構わず綺羅璃は続ける。 「生き抜くには力が必要だ。お前たちも銀瑛様に従うがいい。うまく使ってくださる」  ぴきっと幻曜のこめかみがヒクつき、歳星は心底残念そうに肩を落とした。  弱者を見下し、人を人と思っていない発言。軽羅が嫌いそうな人物だ。 「ショッピングモールぐらいにしか、まともな大人って残ってませんね」 「こら。私を見ながら言うな」  折れた箸を投げてくる。虫を払うように手の甲でいなした。  綺羅璃たちは身を翻そうとする。 「ついてこい。案内しよう」  綺羅璃隊は歳星たちがついてくると疑っていないようで、そのまますたすたと歩いて行ってしまう。  幻曜はもう忘れたような顔で煙草を吸いに離れ、皿片手に歳星は軽羅の様子を見に行く。 「軽羅。起きてる?」  障子を開ける。縁側で風鈴が揺れる畳の間で、少年が転がっていた。  変に切ってダサくなったらいやだ! という思春期男子の心境で髪が切れず、伸ばしっぱなしのレモン髪が畳に散らばっている。軽羅の筋トレを頑張った肉体も食糧不足で薄くなり、なんというか、こう、抱きやすくなったような……  はわわわと、誰もいないと分かっているのに、誰も見ていないかと周囲を確認してしまう。  たまに味見と称して手を出しているものの、共に過ごす日々が重なっていくほど、好きの気持ちは深まっていく。  皿を置いて行水してからもう一度障子戸を開けた。 「軽羅」 「……ん」  身じろぎすると、少年は目を開けた。暑さをとことん嫌う軽羅は半ズボンを更に短く切ってしまい、ホットパンツのようになってしまっている。寝ていたせいで服や髪は乱れ、生足に目を奪われる。  歳星は無言でもう一回水を浴びに行った。 「ただいま」  ずぶ濡れの相方。  「雨降ってたのか?」 「魚焼いたんだ。食べる? あ、サツマイモもあるよ」  軽羅は寝ぼけた頭で、首から下げていたタオルを投げてやる。 「拭け」 「ありがと」 「お。お前が焼いたのか? 上手じゃないか!」 「……」  言ってほしかった言葉を貰え、身体を拭きながら胸を張る。  左右で色の違う箸で魚をひと齧り。 「っ、うまい!」  歳星は両手を上げてガッツポーズした。 「うまいぞ! 熱っ……。焼き加減もいい。はは! これから飯は歳星に任せてもいいかもな!」  ガハハと笑う軽羅に、歳星はスライムのようにだらけた。 「えー? 軽羅のご飯食べられないのならもう何もしない」  ごろごろと畳を転がる。素直で可愛い。 「冗談だ。冗談。お前は俺をたくさん助けてくれている。ならば! 家のことは俺がしないとな」  白い歯を見せた笑顔で頭を撫でてくる。 「なんか今の台詞、夫婦みたいだね。俺が仕事に出て、軽羅が家事をこなしてくれて。帰ってくるとエプロン姿の軽羅が出迎え……」 「寝とけ」  ぎゅっと畳に押し付けられた。 「そういえばね? さっき変な人たちが来てたんだ」 「幻曜? それともゾンビか?」 「んふ」  軽く吹き出してから起き上がって膝を抱える。 「なんだっけ……? そう。『日本復活』を目標に? 掲げた? 集団だったよ。軍服着て、銃も持ってた。大きいの」 「ほお?」  口から魚の骨だけを取り出すと皿の上に置いた。食べるのが、速すぎる。 「え、えと。その人たちは帰っちゃったんだけど。軽羅の意見も聞きたいな、って思って」 「ふん? 他に何か言っていたか?」  彼らが言っていたことを、覚えている範囲で伝える。軽羅は腕を組んで黙って聞いていた。 「……」  話の途中で黙り込んだ歳星に眉を顰める。 「ん? それで終いか?」 「……軽羅に見つめられると、キスしたくなってくる」  軽羅は風鈴の下げてある縁側まで下がった。 「あーん。遠い」 「なんだか、気分の良い連中ではないようだ。すっかり今の世界に則した価値観で生きてやがる」  ショッピングモールを仕切っていたあいつらのように、独裁者気取りがいるのなら関わり合いたくないというのが本音だ。一人だったら泣いて縋っていたかもしれないが、軽羅には歳星がいる。 「俺はお前がいるから、十分生きていけるしな」 「!」  下手に、変な奴らの下に赴くこともあるまい。何故か歳星が抱きついてきたが、黒髪を撫でてやる。 「幻曜は? どんな様子だった」 「煙草吸いに行った」 「……幻曜だけ持って行ってくれないかな」  夏拠点にまで着いてきやがったし。言っても無駄なんだろうが。 「そんなに俺の血はおいしいのか」 「……飲ませたら、駄目だよ?」  イケメンが頬を膨らませている。まるっと膨らんだ頬に唇をつけた。 「ぴ」 「あ、すまん。魚食ったばっかりの口で」 「どうでもいいから! 口にキスしてよ!」  尖らせた唇を突きつけてくる。  幼い言動で薄れがちだが、神秘系美形のキス待ち顔にうっと息を呑む。変身前でも、こいつは天使のようにきれいなのだ。  抗えず、唇を重ね―― 「お前ら。どうしてついてこない⁉」 「っ⁉」  びっくりした軽羅が顔をそちらに向けたので、キスお預けされた歳星から殺気が立ち昇る。 「ひぐっ」 「なんだ」  畳を軋ませる殺気に私兵たちが銃を構えかけたが、長は待ったをかけた。  軽羅は吠えまくる愛犬を落ち着かせるように頭や頬を撫でる。好きな子に撫でられ、怒りの表情を維持できなくなり、だんだんと笑みを堪える表情へと変わっていく。 「なにを怒っている。歳星。俺を見ろ!」 「だって。……うん。ごめん」  うつむこうとするが軽羅の両手に顔を挟まれ、顔を見合わせられる。 「謝らなくていい。何かあったら俺に相談しろ。絶対に一人で抱え込むな。いいな?」 「はい」  目がハートになってしまっている歳星を抱き締め、頬に頬を軽く当てる。それから綺羅璃たちに向き直った。歳星はまたスライムになった。 「俺は軽羅だ。貴様らが先ほど、歳星が話していたなんとかの私兵とやらか?」  何か、恥ずかしさを誤魔化すように、赤い帽子は咳払いしてから口を開いた。 「その通りだ。戦力として『超重度感染者』……吸血鬼が欲しい。お前は『軽度感染者』かね?」 「ああ。見ての通りだ!」  自分を親指で差すレモン髪に、綺羅璃はため息をつく。 「そこの、吸血鬼とはどういった仲だ? 随分と深い仲に思えるが」 「何も言わずに幻曜だけ持って行ってくれないか? あいつならどんな風に扱っても構わん!」 「「……」」  歳星と綺羅璃の視線が軽羅に集まる。自らの与り知らぬところで売り飛ばされようとしている幻曜は、煙草を吹き出す勢いでくしゃみしていた。  赤い帽子はゆるやかに首を振る。 「二体いるなら二体とも欲しい。どうやらそこの吸血鬼はお前の言うことなら聞きそうだ。どうだ? 『軽度感染者』など銀瑛様のお屋敷に招きたくもないが、大人しく命令してくれるのなら特別に、そうだな。お屋敷の庭の犬小屋で住まわせてやるぞ?」  くっくっと、背後の者たちから笑いが溢れる。  カッとなった歳星が人の形に戻った。 「犬小屋って……。犬小屋に入れてどうするつもりですか⁉ 首輪? 首輪でもつけるのか! ふざけるな羨まし……そんなふざけたことを俺以外。そんなプレイを! じゃなくて俺だってまだやってないのに! 許せるはずないでしょう! 首輪⁉ や、やばい。なんか燃えてきたかも」 「…………」  三箇所ほどツッコミたい箇所があったが、ひとまず黙っておく軽羅。  思っていた反応と違うなと思ったが、目を泳がせながらも怯まない綺羅璃。 「……では、銀瑛様に下る、ということでいいのかな?」 「嫌ですけど。メリットが無さすぎる。俺は人間の血は吸わないし、軽羅を差別するあなたたちがもう嫌いです」 「それは残念だ。では我々は」 「ていうか! 早く首輪プレイしたいのでどっか行ってください!」 「…………」  何を言ってんだろうなぁこの子、という目になる軽羅。  軽羅の呆れた目線に気づかない歳星。よほど、首輪という単語が刺さったのか。  軽羅は性的な意味で嫌な予感しかしない。  隊の一人が励ますように綺羅璃の肩をぽんと叩いた。 「我々はお前を無理矢理にでも連れ帰ることとなる。怪我をしたくないのなら、今のうちだが?」  全員が背中の銃を構える。統率の取れた動きに、歳星は軽羅を奥の部屋へと下がらせる。 「あなたたちこそ。怪我をしたくないのなら、今のうちに首輪を置いて帰ってください」  戦闘態勢を取る歳星。頼もしくかっこいい背中のはずなのに軽羅は一瞬、「歳星も持ってってください」と言いかけた。 「で、どうしたの? 殺しちゃったのォ?」  イモを齧る幻曜に、熱々のイモを半分に割ってあげてる歳星がため息をつく。幻曜は仲間でも何でもないのについ、「肝心な時にいないんだから……」という気分になってしまう。 「ケツ叩いて桃に詰めて川へ流しておきました」 「鬼退治でもさせる気?」  数年前の新聞紙にくるんでから、軽羅へ渡す。 「熱いからね」 「ありがとうな‼」  嬉しそうに受け取ると、ろくに冷ましもせず齧り出す。 「んー。久しぶりのイモ! うますぎる。歳星も! ちょっとくらい食べてみたらどうだ? 食べられないわけではないんだろ?」  歳星はイモと軽羅を交互に見つめる。 「食べさせてくれたら食べる」 「んごっほ‼」  誰かが盛大に咽たが、軽羅はイモを一口サイズに割ると、口元へ持っていく。 「ほれ。あーん」 「え⁉ ……あーん」  本当にやってくれると思っていなかったようで、歳星は戸惑いながらも口を開けた。ほくほくのイモを口内で噛み潰す。 「……甘い、ね」 「なっ⁉ うまいだろ?」  こくこく頷きながら、大口開けてイモを齧っている軽羅を眺める。 (口デカくて可愛い)  軽羅は甘い食べ物が好きなのだろうか。それなら今度からは非常食の飴や羊羹でも探そう。運が良ければ見つかる、かもしれない。 「軽羅。嬉しそうだね。甘いもの好きなの?」 「……んー? イモが好きだな! イモプリンとか、スイートポテトとか!」 「へえ、可愛い」 「……」  ぎゅうっと、歳星の頬を摘む。 「可愛いと言うな」 「じゃあ、好きって言おうかな?」 「そっちの方がマシかもな」  おじさんは胸焼けしたように胃の辺りを摩っている。 「軽羅も。好きって言ってほしいなー」 「イモの話か?」 「むー」  今度は歳星が軽羅の頬を伸ばした。  咳き込んでいた幻曜が涙を拭う。 「あの私兵たちは脅威にはならないって感じかな?」 「今のところは、ですけど。銃を向けられて怖いはずなのに、なんとも思いませんでした」  綺羅璃が使用していたのは銀の弾丸だった。これにはちょっと驚いたが、貴重なもので無駄打ちできないのか、後ろの部下たちは普通の銃弾しか撃ってこない。 「……ソッカ。でも、銀の銃弾を量産できるようになれば、彼らも厄介かもね。今のうちに潰しておこうカナ?」  銀の弾で蜂の巣にされると吸血鬼とはいえ動きは鈍る。まずは再生に時間を取られるだろうし、その間に軽羅を奪われると目も当てられない。 「そうですね」  同意しかけた歳星の頬を伸ばす。 「おい‼ そこで暮らしている人たちもいるんだぞ! 重力で押し潰して丸ごと……とか、考えてないだろうな⁉」  吸血鬼二名は目を背ける。 「お前らな」 「うっさいよ‼ 軽羅君! 守られてる分際で口出ししないでくれない?」 「お前に守られた覚えはない」  まあそうだねと、幻曜は閉口した。 「とはいえ! 歳星に何かあるのは避けたい。奴らと関わらないよう……北海道にでも引っ越すか?」  歳星が苦笑する。 「軽羅は俺の心配ばっかりだね」 「そりゃー。歳星君が命綱なんだし? 当然っしょ?」 「それもある! が、申し訳ないが自分のためだ。歳星が怪我をすると幻曜の時のように、また俺が飛び出してしまう。で、また俺が怪我をする。の繰り返しだ。だから歳星を危険にさらしたくないな。俺が無茶しないようにな!」 「……」 「……」  ごちゃごちゃ言っているが、要するに歳星に危険な目にあってほしくないと。  幻曜は「爆発しろ」と呟き、歳星は目じりを下げ照れている。 「不死身だって言ってるのに」 「関係ない。お前に怪我をさせたくない」  いちゃつき出す若人に、「おかしいなー。こういう世界でいちゃついてるカップルって、真っ先に殺されるんじゃないの?」と何かほざいている。  そういったお約束を踏み潰せるほど自分たちが強いことを、忘れているかのようだった。  そのくらい、今が平和なのだろう。  ショッピングモールと夏拠点を行き来する生活がしばし続くが、北海道へ移ることを報せると、皆ついてくると言い出すのだった。 【完】

ともだちにシェアしよう!