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第十三章 すき焼きパーティーだ!

 隼人のマンションで、すき焼きをご馳走になることとなった、若手ライターの吉永 紫織。  彼は彼なりの目的があって、隼人の誘いを受けていた。 (桐生 隼人の自宅マンションに、潜入取材ができるなんて。こんなチャンスは滅多にない)  しかもそこには、自称ハウスキーパーの比呂がいるのだ。 (若くて愛らしい、魅力的な子だ。もし彼が、桐生と恋に落ちたとすれば……)  ニュースだ、スキャンダルだ、スクープだ!  そして、それを暴いて記事を書いた者が、私だとすれば。 (一躍、エース記者になれるぞ!)  妄想で脳内をチリチリさせている紫織に、比呂は不穏なオーラを感じ取っていた。  大丈夫かな、この人。   『比呂くん。こちらは今日、私を取材してくれた、吉永さん』  隼人さんは、こんな風に紹介してたけど。 (ライターさんを、マンションに連れてきたりして。何を書かれるか、解んないのに!)  ここはひとつ、僕がしっかりしなきゃ!  紫織にスリッパを勧めながら、比呂は決意を固めていた。

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