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「まさか、こんなに早く呼び出されるなんて」  隼人は目の回る心地だった。  笹山が、打ち合わせの途中で休憩をはさむついでに、青原へ電話をしたのだ。 『お世話になっております。コスモスター・エージェンシーの、笹山と申します』 『どうも。青原です』 『えっ』 『スタジオ青原の、青原 繁です』 『いや、あの! 青原監督、ですか? これって、代表電話では!?』 『代表電話ですから、私が取ることもありますよ』  慌てて笹山が、桐生 隼人は面談を受ける準備がある、と伝えたところ。 「今からすぐに、来て欲しい、だなんて」  隼人は、スタジオ青原のビル前で、肩をすくめた。  思い立ったら、即行動。  これが、青原監督の理念だ。 「まぁ、早いに越したことはない、か」  難しい案件は、後回しにするより、最初に済ませた方が良い。  これは、隼人の処世術なので、青原とはフィーリングが合ったのだ。 「サクッと済ませられる話ではないけど、やるしかない」  まずは一歩を踏み出す心地で、隼人は青原を訪ねた。

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