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第四十四章 再出発

 まだ日の高いうちから、隼人と比呂は寝室にいた。  もちろん、お昼寝というわけではない。  二人は素肌を光のもとに晒し、愛し合っていた。 「比呂くん……比呂くん」 「んぅ、う。あぁ、隼人さん、ったら。そんな、トコ……あぁ、んッ!」  比呂くん、ここにホクロがあったのか。  隼人さん、小さな古い傷が残ってる。  そんな風に、互いの知らなかった秘密を探っては、新鮮な悦びに浸っていた。  比呂の可愛いピンクの乳首を、隼人はたっぷり味わった。  右の乳首を夢中でちゅっちゅと吸いながら、左の方は指で弄る。 「ん、はぁ……。あぁん。ふぅ、うぅ、あぁあ!」 「比呂くん、もう。……もう、挿れたい」  引き攣る比呂の体から手を離さないまま、隼人はローションに腕を伸ばした。 「隼人さん、それ。それ、僕がしてあげる」 「えっ」  比呂は隼人からローションを受け取ると、ジェルを手のひらに出した。  そして、情に濡れた目で隼人の熱い中心を見ると、そこに塗り始めた。  ていねいに、優しく伸ばされていく、潤滑剤。  隼人は思わず、ひくりと震えていた。 「えへへ。気持ち、いい?」 「ああ。すごく感じるよ」  比呂からの愛撫が、とても嬉しい隼人だ。  胸を弾ませたまま、今度は彼の方から比呂に挑みかかった。

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