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第38話 高糖度な
セックスは、好きだよ。
でも、アキくんとするセックスは今までのどれとも違って、ちょっとヤバいって思った。
とろけちゃうような気持ち良さは、初めてでさ。
こんなの味わったら、もう他のじゃ気持ち良くなれないんじゃないかって。
ほら、宝石みたいにキラキラしてるケーキってあるじゃん。見てるだけでテンションが上がるようなキラッキラのケーキ。見ればわかるよ。このケーキは甘くて、美味しい、って。そういうケーキってさ、食べたら一瞬で終わるじゃん?
あんな感じに美味しくて、甘くて、いつまででも味わってたいのに、そういうのこそ一瞬で終わっちゃう。
「ンっ、ぁっ……ア、ンっ」
次からどうしようって、思った。
「あっンっ……アキっ、くんっ」
首筋にキスされただけで、ほろほろって何かが柔らかくほぐれていく感じがする。
「アキくんっ」
「?」
危ない危ない、これはなんて美味しいセックスなんだろう。一回しか味わえないのに、こんなに美味しいんじゃ、困ったって思った。
「あ、あのさ、アキくんってさ、童貞って言ってたけど、初めてのわりに上手だよねっ」
「?」
「その、前戯っていうか、色々、全部」
「……」
「あ、ぃや、だから、どうしてそんなに上手なのかなぁって、あは」
プロがたじたじになるんだからさ。
「…………言いたくない」
「えぇっ?」
わ、俺、こんなに焦る? 言いたくないって言われて、なんか急に呆れちゃうくらいに、今、お腹の奥のとこがズキズキしたんだけどっ。
キスを教えてもらったりした?
どっかの誰かに。
気持ちいいキスマークの付け方をどこかで教わったりした?
セックスの仕方を誰かに教わった? の?
そう、考えて、お腹の奥のところが、ほら、ズキズキしてくる。
「ちょ、なんでっ?」
「……はずい」
「は、はいっ? なっ、なんっ」
「内緒」
「えぇ?」
内緒って何? 知りたいんですけど。ねぇ、誰にも教わってたりした?
「知りた、っ……ン、んんっ」
こんなにキス、上手なのに?
「あっ……ふっ……ぁ、ン」
舌の絡め方がたまらなく気持ちいいのに?
「ん……」
この、キス、ずーっとしてたいって思うのに?
「あっ、教え、て、ってば、ぁ」
「内緒」
「あっ……ン」
キスしながら、引き寄せられて、服の上から胸を揉まれる。そして、キスひとつで期待してる乳首を親指でクイって押し潰されて、ズキズキしてたお腹の奥がキュンってした。
「あっ、アキくんっ」
「麻幌さん」
低い声がたまんないんだよね。
「あ、あっ」
膝を抱えるようにベッドの上に座ってた。アキくんはベッドの端に腰を下ろして、手をついて、俺の方に身体を向けてくれてる。そこから、ゆっくり、至近距離まで来てくれて、おでこがくっつくほど近くから覗き込まれて、ドキドキする。
ね、あんま見つめられると、困る。
ねぇ、どうしよう。
「ン」
その膝小僧にキスをされて、つま先までビリビリした。
「あっっ、っ」
歯を立てられると、身体の奥がズクンって、疼く。
「脚、開いて」
「あっ」
その声、ずるい。
「あぁっン」
太腿にアキくんのサラサラな黒髪が触れるとくすぐったくてたまらない。開いてと言われた脚をおずおずと開くて、そのままキスが柔肌にいくつも触れる。
チリリと小さく甘い痛みが走れば、アキくんの唇が離れたそこに、赤いキスマがくっついてる。
「あっ、ンっ」
たくさん付けて。
「あぁっ」
もう全部、アキくんしか触れない俺の身体。だから、たくさん触って。
「あっ」
たくさん、可愛がってよ。
「あ、あっ」
膝裏を大きな手にしっかりとホールドされながら、敏感な太腿の内側をキスが行き交う。赤い印をつけられながら。
「下着、付けてない……」
「あっ、ン、アキくん」
長い指にそこ、撫でられたい。
「あぁっ」
もう、ヒクついてるでしょ? そこ、早く、いじめられたくてたまんないんだってば。長い指で掻き混ぜて。指より太くて、指より奥に届いて、指よりも俺の中をいっぱいに占領してくれる、アキくんので貫いて。
早く。
そこに、突き刺して。
「まだ、ダメ。挿れるのは、まだ」
「あ、ンっ、んんっ」
だって、もう、欲しいんだってば。
「俺、好物って最後まで大事にとっておくんだ」
「あ、あっ」
「麻幌さん」
「ぁンっ、あっ、ン」
ヒクつく孔を指は優しく撫でるだけ。そして、優しいキスがいくつもいくつも、一番触って欲しいところを掠めてく。
「麻幌さんのこと、トロトロにしたい。奥まで全部とろけるくらい」
「あっ……」
キャラ、作ってたって、言ってたっけ。
「ね、麻幌さん」
いつも俺の好きになる人は、自分勝手で、自分が気持ち良くなるためにセックスする。でもその気持ち良くなれる相手が自分っていうことに、興奮したりした。性欲解消を俺の身体でしてくれると、興奮した。
俺の身体で気持ち良くなってるっていうのが、嬉しかったりした。
けど。
アキくんのくれるセックスはさ。
「……して」
もっと甘くて、優しい。
「いいよ。俺のこと、好きに、して」
脚をゆっくり、大胆に開いて、服も捲し上げた。とろとろに濡れた俺の、先端から気持ちいいが溢れちゃってるそれを見えるように、服を捲り上げて。
お尻の奥まで濡れて、ヒクついて。
キスしてよって、ツンと尖った乳首を見せつけながら、もっと、見えるように、手で小さな孔を開いてみせる。
「アキくんの、好きにされたい」
「……」
「アキくんが、早く、欲しい……よ」
この身体は全部、目の前にいる君のものだとわかるように、いっぱい開いて、甘い声で啼いて呼んだ。
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