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その夜

 ヴェルトはカイラと別れて自分の部屋に戻った後、ベッドに横向けに寝転がった。  そして、寝巻きから欲望の塊を引っ張り出す。  優しげな彼からは想像できない凶器のようなソレを自身の手で慰める。 (……おかしいと思ってたんだ)  ゆっくりと体が熱を帯び始める。 (確かに30日くらい前から、彼の事が気になるようになったんだ……仲間としてじゃなくて、もっと別な意識を……) 「だ、め、だ……!」 (子供に欲情するなんてどうかしてる!)  欲望が更に膨らむ。 (カイラ君はインキュバスに目をつけられただけの可哀想な子……僕はあくまで、彼を手で慰めてやるだけ)  呼吸が荒くなってゆく。 (決して僕は彼と交わらない……僕に襲われるなんて、彼が可哀想だ。僕はあくまで手で____)  射精感が高まる。  熱いモノが尿道を押し広げ遡る。  その瞬間、脳裏に浮かんだのは…… 『あ……ッ、~~~~ッッ♡♡』  カイラが可愛らしい肉棒から大量の精を吐き、泣きながらも恍惚の笑みを浮かべている光景。  ヴェルトは柔らかな紙の中へ白濁を吐き出した。  次第に思考がクリアになってゆく。 「僕、今……カイラ君を思い浮かべながら、邪な事を……!」  途端に罪悪感に襲われ、欲望を包み込んだ紙を捨てた。 「マズイ……すぐにでもあのインキュバスをなんとかしないと、僕の気が持たない」    ***  窓の外から一部始終を覗いていた夢魔のミキは実に不機嫌そうだ。  それはもちろん、食事にありつけなかった為。 「ったくあの男、ずっとああしてるつもりか……? てっきりオレぁ、あの時におっ始めるかと」  ミキは顎に手を当て一考する。 「仕方ねぇ……魔力を消費する事になるが、あの男にもちょっとだけ魔法をかけるか」

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