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1日目

 今回のお話はヴェルトが受けになるシーンがあります。苦手な方はご注意ください    *** 「あの……ヴェルトさん」  先程まで怒られていたにも関わらず突然唇を奪われ5日間の禁欲を言い渡されたカイラは、恐る恐る口を開く。 「なにかな?」  ヴェルトはいつも通りの優しい笑みを浮かべていた。 「ヴェルトさん、怒って____」 「怒ってないよ?」  言葉を遮るヴェルトに、カイラは確信する。 (ヴェルトさんめちゃくちゃ怒ってる……僕がハルキオンさんを巻き込んじゃったからだ)  ……とカイラは思っているようだが、それは違う。  ヴェルトがカイラに禁欲を言い渡したのは、単に彼を滅茶苦茶にして自分の事しか考えられないようにしてやりたくなったからだ。 「あの、えと。それで、手伝い無しって今からですか?」 「そうだね」 「ん……」  カイラは困ったような表情を浮かべヴェルトから目を逸らす。  ハルキオンが射精する姿を見てしまった為、自分も気持ち良くなりたくなってしまったのだ。 「ヴェルトさん、その……できれば今日手伝いしてもらって、翌日からという事に」 「ダメだよ。……さて、僕はそろそろ自分の部屋に戻るから。じゃあね」  とヴェルトはカイラを冷たくあしらい、手をひらひらさせてカイラの部屋からいなくなってしまった。    *** 「……なんか眠れない」  深夜。寝巻き姿でベッドに横向けになっていたカイラは目を開けた。  胸がドキドキする。  騒ぐ肉体を収めるべく今すぐにでも自分を慰めたいのだが……  悲しいかな、夢魔の呪いに囚われたカイラになす術はない。  「う~」と唸りカイラは仰向けになった。  (おもむろ)に下着の中へ手を入れ、貞操帯越しに己の欲望に触れる。  自分の性欲を解消できないというのが、これほど辛いものだったとは。  セックスはおろか自慰、勃起も許されない。  改めて貞操帯という道具と夢魔の恐ろしさを知る。 「ヴェルトさん……」  貞操帯の事を知り、手伝いをしてくれる唯一の人。 (ハルキオンさんもだけど、ヴェルトさんも巻き込んでるんだよなぁ……)  自分の側にいるだけで劣情を高められて。  自分の手伝いをして。  自分と一緒にいたせいで一時的に呪いをかけられて。  彼がいちばんの被害者だ。 (ミキ捜索を続けてはいるけれど、一向に見つからないしなぁ……僕、どうすれば良いんだろう)  次第にヴェルトの事で頭がいっぱいになり、カイラは己の欲望を包む金属の檻をぎゅっと握った。

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