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甘い夜 その2
ランプの灯りのみが頼りなく辺りを照らす2階の寝室に独特な雰囲気が漂う。
高揚感と緊張感がドロドロに混ざり合ったような……
この部屋の王とも言える存在のダブルベッド。そこに2人の人間がいる。
ヴェルトにすっかり裸に剥かれて組み敷かれ、やや緊張した面持ちのカイラ。
寝巻きを自ら脱ぎ、カイラの柔肌に更に本能をくすぐられるヴェルト。
カイラがいつも装着させられている貞操帯は、ベッド近くの棚の上に鎮座している。
「……ドキドキしてる?」
ウインドという魔法で完全に乾かされたカイラの髪をそっと撫でる。
赤く柔らかな炎の揺らめきを頬に受けながら、カイラは頷いた。
「そっか」とヴェルトは彼の耳に口を寄せる。既に解いていた銀の髪がふわりと広がった。
「大丈夫だよ、たくさん練習もしたもんね? 今日こそは絶対上手くいくよ」
少年の強張った体を解すようにヴェルトは囁き、カイラの心身を優しく包み込む。
***
(あぁ……またこの感覚だ)
ヴェルトの背に手を回しながら、首筋に1つ赤い跡を作らされたカイラは心中で呟いた。
唇や首筋に落とされるキス。
耳元で囁かれるマシュマロのような言葉の数々。
身体中を優しく撫でてくれる大きな手。
緩やかな快感に身を投じ、意識が銀波 に攫われてゆく。
「…………ッ♡ うぅ~~~~♡♡」
突然強烈な快感を覚え、意識が強制的にベッドの上へ戻される。
「カイラ君、ボーっとしてたでしょ?」
カイラの肉茎を持ち上げ裏筋に舌を這わせたヴェルトのいたずらっ子のような顔が、足の間から見える。
「ずっと僕の事だけ見ていてよ」
アメジストの視線が蛇のようにカイラの体を這い回る。
「ティニーも素直だね。1回舐めただけで硬くなっちゃってさ……もっと可愛がってあげようか」
とヴェルトはカイラの屹立を全て口へ含んだ。
温かな口内に包まれ、舌や唇で執拗なほどに責め立てられる。
「あう、ぅ、ん~~~~っ♡」
カイラは強い刺激に悶え淫れ始める。
口を開けば甘い吐息のみが漏れ、それが更にヴェルトを悦ばせるのだ。
「やだっ♡ も……でるっ♡♡」
宣言と同時にカイラは男としての鋭い快感を味わい容赦なく彼の口内へ発射する。
欲望の塊を口に含み、ヴェルトは徐 に身を起こす。
「やっぱり甘い」
「そ、そうなんですか?」
「そうだよ。ほら____」
まだ精が残っている口で、ヴェルトはカイラと口付けを交わす。
カイラは目を見開き「んっ!?」と唸る。
ヴェルトはカイラの唇を無理やりこじ開けカイラの舌を捕らえると、ミルクをカイラにたっぷりと味わせる。
(やだっ、自分の精子なんて……っ!)
甘ったるく生温かな液体が強制的に舌に絡み付く。
涙目で身を捩らせ必死に抵抗するが、剣士であるヴェルトの拘束から逃れられる訳もなく、カイラはじっくりと自分の白濁を舐めさせられる。
口中に広がる自分の体液の味。嫌なはずなのに……ティニーがヒク、ヒクと甘く痙攣する。
ようやく解放されると、互いの舌の先を結ぶ乳白色の橋がかかった。
「美味しい? カイラ君」
「……美味しくないです」
疲れ切ったような声での返答にヴェルトは吹き出した。
「でもカイラ君、虐められるの意外と好きでしょ?」
「すっ、好きじゃありません!」
「嘘吐き。ちんちんの大きさ比べられたり揶揄われたりした時ちょっと嬉しそうな顔するくせに」
「しっ、してません!」
「なら今度鏡の前でティニーの事虐めてあげようか? そしたら嫌でも自分が悦んでる顔が見れるよ」
「いやですぅ……っ!」
ヴェルトがベッドの端に置いておいた潤滑油に手を伸ばすのが見えて、カイラの小さな胸が高鳴った。
「あっ……あのっ、ヴェルトさん」
カイラは目を泳がせながら声をかける。
「ん? なに?」
指に潤滑油を乗せながらヴェルトはちらりとカイラを見下ろす。
「今気付いたんですけど……そういえば、なんで僕が女の子側なんですか?」
「……は?」
まさかそこに疑念を持たれると思っていなかったらしいヴェルトは間抜けな声を上げる。
「何カイラ君。まさか僕に挿れたいのかい」
その問いにあまりにも「はい!」と元気良く答えるものだからヴェルトは困り果ててしまった。
「今日はもうヴェルトさんのを受け入れる覚悟してきたんでいいんですけど……いつか、ヴェルトさんを女の子みたいにしたいです」
カイラの中で妄想が膨らむ。
『うぁ……っ♡ カイラく、んっ♡』
寝室のベッドの上で、カイラはヴェルトを組み敷き腰を振り続ける。
『んっ、体……おかしい……っ』
『それってイきそうって事ですか?』
優しげな面持ちを快楽に歪めながら、ヴェルトは何度も頷く。
『お願い……カイラ。このまま、イかせて……♡』
『良いですよ。ヴェルトさん、女の子になっちゃいましょうね』
『うん……うんっ♡』
妄想に浸るカイラに遂に痺れを切らしたヴェルトは、クッションを彼の腰へ捻じ込み、彼の両足を自分の肩に乗せさせた。
「……はっ? やだっ♡ やだっ♡ この体勢恥ずかしいですっ♡」
無理やり足を広げられるので、これでは愛すべきティニーと後孔がヴェルトに丸見えだ。
空想の世界から現実に戻され羞恥に悶えるカイラの懇願を無視して、ヴェルトは優しげな表情に相応しくない事を告げる。
「カイラ君……次、そんな事言ったらお仕置きするよ?」
「あっ♡ まっ♡ ひっ♡ あぁあっ♡♡」
ヴェルトはカイラの蕾に2本の指を同時に挿入する。途端にカイラは表情をとろけさせ喘ぎ始めた。
「すんなり挿入るようになったね? 偉い偉い」
時折甘い言葉を浴びせられながら、カイラは雌としての緩やかな快感に飲み込まれる。
潤滑油の音だろうか。肉壺が掻き回される度にクチュ、クチュ。という下品な音が2人の耳に届く。
「……あぁ、可愛いなぁ。気持ち良くなってる時の顔を見せるのは僕だけにしときなよ? こんな顔されて理性保てる男なんて男じゃない」
「ひぁ♡ あぁあ~~っ♡」
もはや「はい」という返事すらできないらしく、カイラは愛しい人の下で淫れ続ける。
カイラの後孔を解してやりながら、ヴェルトは自身の肉棒が滾るのを感じた。
ただの冒険仲間だったはずの恋人カイラ。
今から彼という真っ白なキャンバスを、ヴェルトという最低な男の淀んだ絵の具で塗り潰してゆく。
純粋な物を穢すという背徳感。そこにヴェルトは筆舌し難い淫らさを見出してしまう。
頃合いを見計らい、ヴェルトは指をカイラから抜いた。
「はぁ……♡ はぁ……♡」
その頃には既にカイラの雌としての部分はヴェルトの屹立を求め始めていた。
「カイラ君、起きられるかい?」
自身の肩からカイラの足を解放し、ヴェルトはカイラが起きやすいように背を支えてやる。
「は、はい……♡」
ヴェルトに助けられながらカイラは上半身を起こし、彼と向かい合う。
ヴェルトの肉棒が怒張しているのが目に入り、カイラは思わず生唾を呑み込んだ。
「この前と同じように、自分で僕のを挿れる為の準備しようか」
「っ、はい……『ウォーター』」
カイラは粘度のある水を生成し、それを纏った手でヴェルトの屹立に手をかける。
軽く扱かれただけでヴェルトは少し辛そうに唸った。
はち切れんばかりに怒張し時折ピクンと反応するヴェルトの肉茎に、カイラは即席のローションを絡めてゆく。
(今からコレでもっと気持ち良くさせられちゃうんだ……♡)
妄想だけで体が昂り、一瞬だけ浮遊感を覚えた。
「……カイラ君、そろそろ良いよ」
「は、はい」
カイラが屹立から手を離した途端、ヴェルトは彼を強引に押し倒した。
「ひうっ」
情けない悲鳴を上げ、カイラは観念する。あぁ……ついに食べられてしまうと。
(僕、男の子なのに……女の子にされちゃう)
雄としての器官は萎えたまま、時折甘く痙攣するのみ。
(ヴェルトさんに……たくさん、可愛がってもらうんだっ……♡)
「カイラ君、頑張って足開いて」
「んぅ……っ!」
屈曲位の要領でカイラは足をしっかりと曲げる。こうすると挿入がしやすいらしい。
「ヴェルトさん、手……繋いでてください」
「良いよ」
互いの片手を恋人繋ぎする。指が絡み合い、互いに力を緩めない。
「大丈夫……大丈夫。今日こそ上手くいくよ」
父親や兄を思わせる優しげな声が、緊張で少々強張ったカイラの心を溶かしてゆく。
「挿れるよ」とヴェルトは静かに宣言した。
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