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甘い夜 その4

 ヴェルトは満足そうに萎えた肉茎をゆっくりと引き抜いて、抱いた少年を膝立ちのまま見下ろした。  目を閉じたカイラは時折体を痙攣させ余韻を味わっているようだ。 (どうしよう……)  ヴェルトは息を跳ねさせながら心中で呟く。 (もう1回したい)  しかしもはや立つ事すら難しそうなカイラの様子を見て、ヴェルトは2回戦目を断念し「カイラ君」と呼びかける。 「大丈夫かい?」 「……はい」  カイラはゆっくりと身を起こした。 「無理しなくて良いよ、そのまま寝てて……僕がカイラ君の体拭いてあげるからさ。だけど、お腹に浄化魔法だけかけておいてくれるかい? そうしないとお腹痛くなっちゃうと思うんだ」  カイラは言われた通り再び身を横たえて、自分の腹に手を当てて浄化魔法をかける。  それを見届けたヴェルトは微笑みカイラの頭をポンポンと撫でた。 「うん……じゃあ、あったかいタオル持ってくるから待っててね」  ヴェルトはベッドから起き上がって寝巻きをサッと羽織るとそのまま浴室へ向かって行った。  その後、棚の上に置いておいたはずの貞操帯が真っ直ぐと飛行しカイラの下半身を拘束する。  この感覚にもう慣れてしまったカイラは、特に驚くような様子も見せない。  静寂の中、カイラは腹をさすった。  腹の奥の方に温かい物があるのを確かに感じ、カイラは頬を緩ませた。    *** 「カイラ君、タオル持ってきたよ」  桶を手にしたヴェルトがカイラに呼びかけたが、返事が無い。  そっとベッドの上を覗き込む。どうやらカイラは夢の世界に旅立ったようだ。 「やっぱり寝ちゃった……可愛いなぁ」  柔らかな頬を軽く突くと、「ふにゅう……」という間の抜けた声を上げた。  清潔なタオルを湯に浸し硬く絞ると、ヴェルトはそれで汗ばんだカイラの体を丁寧に拭いてやる。  尻や陰茎も拭いてやりたかったのだが……悲しいかな。既に貞操帯に覆われてしまったせいで指1本すら入らない。  浄化作用があるようなので大丈夫だとは思うが…… (よっぽど疲れたんだろうな。何しても起きない)  体を拭き終わったヴェルトは、桶を片付けて浴室でシャワーを浴びて、カイラの隣に横たわる。 「おやすみね、カイラ君……」  おやすみのキスを頬にして、ヴェルトもそのまま眠ってしまった。

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