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ムズムズ

 寝巻き姿のヴェルトは寝室に入るなり、ベッドに寝そべっていたカイラに話し始める。 「連絡取ったけど、予定の調整で少し時間欲しいってさ」  マティアスとの話し合いを有利に進める為に、ヴェルトは魔道具を使用してとある人物と連絡を取っていたのだ。 「その人、忙しいんですね」 「権力者だからねぇ」  1冊の本を手にしていたカイラは、ベッドに腰掛けたヴェルトの大きな背を見つめて小さな溜息を吐いた。 「あの……ヴェルトさん」 「ん? なに?」  ヴェルトは振り返りカイラの顔を見下ろす。  カイラが両手を軽く挙げるような体勢で仰向けに寝転がり頬を赤らめているのを見て、ヴェルトは彼に覆い被さった。 「なに? 誘ってるのかい?」  ヴェルトが揶揄うような口調で訊ねると、カイラは神妙な面持ちで口を開いた。 「本読んでたら、ムラムラしてしまって……お願いします。射精させてください」 「じゃあその続きも良いよね?」  続きの意味を察したカイラは熟したリンゴのように頬を染め、静かに頷いた。  ヴェルトは上半身を起こし、カイラの寝巻きを捲って緩んだ貞操帯を外してやった。 「ちなみにどんな本読んでたのさ」 「恋愛小説です。30歳のエリート冒険家が、10歳の女の子を監禁して調教するっていう」 「ただの変態小説じゃないのさ。ダメだよカイラ君そんなの読んじゃ、頭が腐る」 「……面白いのに」  カイラは己の欲望をピンと勃たせながら不満げに頬を膨らませた。 「何? カイラ君、僕にもっと調教されたいのかい?」 「違いますよ。僕はヴェルトさんを調教したいんです」 「……は?」  いつも優しいヴェルトの眼差しに何か氷のように冷たい物が混じったのを感じたカイラは、身をすくませた。 「そ、そのぉ……僕のおちんちんがお粗末なのは十分理解してますから。でも、僕も男なんです。男として、恋人をぐちゃぐちゃにしたい気持ちが収まらなくて。……調教にはヴェルトさんの偽物ちんちん使いますから____」  「ヴェルトさんの事調教させてください」という言葉は、ヴェルトがカイラの粗末な屹立を手で包み込んだ事により阻止された。 「ひゃんっ♡」 「触られただけで鳴いちゃう子がよく言うよ」  ヴェルトは身を倒し、カイラの隣に横たわる。 「ほら、僕の体に手を回しなよ。……あのねぇ、何が悲しくて自分のをお尻に突っ込まれなきゃならないのさ」  今から襲い来るであろう快楽の波に耐えるように、カイラはヴェルトの体に手を回した。 「だ、だってヴェルトさんのおちんちん気持ち良いから……ヴェルトさんだって、きっと虜になるはずでっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」  男としての部分を愛撫され、痺れるような快感を覚えたカイラは声を上げる。 「ならないよ。そういうのはカイラ君だけで良いんだよ。カイラ君だけが虜になってれば良い」  ティニーが頭部から大量の涙を溢れさせる。それを愛おしく思いながら、ヴェルトはカイラを高め続ける。 「だ、だめ……カリのところゴリゴリされたら……あっ♡ ヴェルトさ、い、イっちゃいます……♡」  背に爪を突き立てられるのを感じながら、ヴェルトは甘く鳴き続けるカイラを責め立てた。 「あっ♡ あっ♡ イく♡ イく♡ イっちゃいま____」  カイラが気を逸する直前。ヴェルトの手がぱったりと止まってしまう。 「あ……あっ、あぁ……!」  最後まで気持ち良くさせて貰えなかったティニーは、ピクンピクンと切なく疼き始める。 「やだっ♡ 寸止め嫌です……♡」 「生意気言った罰だよ」  ヴェルトは縋るカイラの腕を振り解きながら起き上がり、ベッド横のキャビネットから潤滑油を取り出す。 「そろそろ新しいの買わないとね」  潤滑油をたっぷりと纏わせた指をカイラの窄まりへ。  一際大きく鳴きながらもカイラはそれを受け入れた。 「やだ、やだ♡ 射精っ、射精させてください……♡」 「そんなに射精したけりゃ自分で触れば? もしかしたら出るかもよ?」 「うっ、うう~~っ!」  顔を歪めて呻きながら、カイラは己の手で自身を慰め始めた。  無駄だと知っていながらも、切なく疼き続けるので扱かずにはいられなかったのだ。 「あひぃっ♡ んっ♡ んんぅ♡ きも、ち……い♡」  2箇所を同時に責め立てられたカイラの体がパニックを起こし、発情期のネコの如く甘ったるく鳴いてしまう。 「本当に欲に正直だね? ……可愛いよ、カイラ君」  ヴェルトの執拗なペッティングに、カイラはただただ淫れ続けた。 「ふぁ♡ ……ヴェルトさぁ……ん♡」  全身をとろけさせているが男の勲章だけは強張らせているカイラは、永遠とも思える時間愛され続けた末に凶器を一気に窄まりへ挿入された。 「んぎぃっ!? い゛っ……!」  内臓を抉られ。 「ん゛っ……ん゛ぅ♡」  すぐにソレが愛する人の欲望なのだと体が感じ取り。 「~~~~ッッ♡♡」  全細胞が悦ぶ。 「……カイラ君、まだ動いてないんだけど」 「ヴェルトさぁ♡ きもち♡ ひぃいっ♡」  簡単な呼びかけにすら反応せず、カイラは奇怪に喘ぎ続ける。 「カイラくーん? 聞こえてないのかい? しょうがないなぁ」  狭い腸内を掻き回す、湿っぽく激しいピストン音が寝室を支配する。 「あ゛っ♡♡ ゔぇ♡ ヴェル♡ ト……しゃ♡ あっ♡ あっあっあっ♡♡ ~~~~ッッ♡♡♡ ……あっ♡ やらっ♡ イって♡ 今イってりゅ♡ うぅうっ♡♡♡」  ヴェルトが腰を打ちつける度に、カイラは大きく反応を示す。 『本当にカイラ少年が可哀想だ。こんなモノを突っ込まれたら地獄の苦しみか悦びを感じるしかないだろう』  かつてダーティにそう評されたヴェルトの肉棒。カイラはきっと地獄の悦びに身を投じてしまったのだろう。 「はひ♡ ひぃ……ひぃぃ……♡」  カイラが鳴き疲れた頃に、ヴェルトはようやく彼の中へ精を吐き出した。 「……っ」  鋭く短い快感に小さく呻いた後、ヴェルトは体を弛緩させ少年を見下ろす。 「……なんだ、途中でお漏らししちゃったのかい?」  ぐったりと……しかし、満足気に横たわっているカイラの腹が白濁で汚れているのに気付いたヴェルトはサディスティックに微笑んだ。 「萎えちゃってるし、もう手で扱かなくても良いね?」  ヴェルトが肉棒を引き抜いた途端に、呪いがカイラを襲った。 「あれ? ……あれっ!? ヴェルトさん、射精は!?」  鉄の冷たい感触で我に帰ったカイラは焦りを隠す事なくヴェルトに問う。 「出したでしょ?」 「出しましたけど……出しましたけど! なんだか、ムズムズが収まらなくて……むしろ、変に射精したせいでもっと酷くなったんですが!?」 「あっそ」 「あっそ!?」  あまりにも無情な返事にカイラは大声を上げた。 「酷いと思うかい?」 「思います!!」 「でもねカイラ君、虐められてる時、笑ってるんだよ」 「そんな訳ありません!」 「この前も言ったけど、鏡の前で虐めてあげようか? そうしたら自分が虐められて悦ぶ変態だってのがすぐ分かるよ」 「嫌ですぅ……!」  半泣きのカイラを宥めるように、ヴェルトはカイラに再び覆い被さりキスの雨を降らせる。 「んぅ……」  舌を絡ませ合う内に、ヴェルトに対する不平不満が空に溶けてゆく。  カイラはとにかく人に甘い。 「……さて、一緒にシャワー浴びちゃおうか。お腹にぶっかけたまま寝られないでしょ」 「嫌です! 射精……お願い、もう1回触って…….♡」  カイラは息を荒くしながら、腰を左右に振りおねだりする。 「さっきも言ったけど生意気言った罰だよ。今夜は頭とちんちん冷やすんだね」 「頭は冷やせてもちんちんは冷やせません!」 「なら無理やり冷やさせてあげようか? 氷水用意しておくからさ」 「ひぃいぃいっ!」  ヴェルトはベッドから起きるとカイラをひょいと抱き上げ、そのまま姫を攫う魔王の如く寝室を後にしたのだった。

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